ニュージーランドで開催予定のラグビーワールドカップ2021の開催延期に関する執行委員会の勧告が正式に承認され、ワールドラグビーは2022年開催のラグビーワールドカップを迫力満点の大会にするというコミットメントを新たにしました。

執行委員会は、ラグビーワールドカップ2021の出場チーム及び出場権獲得を目指し予選で戦うチームを対象としたハイパフォーマンス準備大会プログラムの開発・資金提供を行うための取り組みを承認。200ポンドを拠出して支援するこのプログラムでは、出場チームが来年開催されるニュージーランドでの大会でそれぞれ実力をフルに発揮するための素晴らしい準備の機会を提供することにフォーカスを当てていきます。

今年予定されていた大会の延期は、未だ終息しない新型コロナのパンデミックによる影響と、以下に挙げるような乗り越えがたい不確実な状況を受け、ニュージーランドラグビー協会、ニュージーランド政府、そして参加協会が協議を重ねた末決定したものです:

  • プレーヤー、スタッフ、大会関係者など600人以上を超える人々が安全で確実な渡航・移動ができるかどうか不確実
  • ニュージーランド到着後の14日間の「managed isolation (管理隔離施設での隔離)」と検疫プロセスに耐えたチームのために、ラグビーワールドカップに向けた十分な準備を行うハイパフォーマンストレーニング環境が確保できるかどうか不確実
  • チームによっては、チームが全員集合し、スコッドとしてトレーニングを行うことができない、またはテストマッチができない状況が12ヶ月間以上続いているチームもあり、すべての出場チームが十分に準備できるかどうか不確実
  • 渡航制限、国により異なる不透明な検疫条件が国際予選プロセスの完了を難しくしている
  • 現段階では、地元のファン、そして海外から訪れるファン(プレーヤーの家族を含む) を十分に試合に招待できる保証がなく、女子ラグビーを世界中でスーパーチャージするに相応しい舞台を提供できる保証ができない
  • 加えて、既存のハイリスク状況を踏まえ、大会開催までの6ヶ月間で起こりうる新たなリスクに対応する余裕に限界があり、最悪の場合、大会延期ではなく即座「中止」という結果になる可能性もある

ワールドラグビーのサー・ビル・ボーモント会長は次のように述べました。「今年のラグビーワールドカップ2021を楽しみに準備を進めてきたプレーヤー、チームスタッフ、そしてファンの皆さまのお気持ちにワールドラグビー一同寄り添います。私たちは、皆さまがとてもがっかりされることを承知しますが、延期の決断はあくまでも皆さまのウェルフェア(身の安全・福祉)、ウェルビーング(健康)を考えた決断であり、大会へ向けた十分な準備をした上で、女子ラグビーを世界中でスーパーチャージするためのものです。」

「世界各地から訪れるアスリートやスタッフの人数を考慮すると、直近の新型コロナの感染状況においてトレーニングや試合準備に関わる不確実性が拭えない現状で、すべてのチームがこの最高峰の大会に向けて準備をするために最適な条件を整える保証をすることは不可能です。」

「ラグビーワールドカップは最高峰の大会(ベストの中のベスト)であり、最高のチームのための最高の大会(ベストのためのベスト)です。この数週間で発生している新型コロナの変異株や、続くロックダウンは世界が未だ危険な状況を脱していないということを示しています。」

「女子ラグビーのトッププレーヤーは、家族や友人そして世界中のラグビーファミリーが参加できる彼女たちに相応しい舞台が保証されなくてはなりません。1年間延期する中で世界中のワクチン摂取プログラムの実施が進み、渡航制限やニュージーランド 国内の移動で課せられる条件などの負担が軽減される状況を迎えることができます。」

「私たちは最高のラグビーワールドカップを開催するためのすべての条件を整えるために引き続き尽力します。そしてニュージーランドの国民の皆さまも取り組みを進めていらっしゃることを知っています。」

「また、女子ラグビーに対するワールドラグビーの確固としたコミットメントをここで強調したいと思います。私たちは2022年の大会でベストが尽くせるよう、出場チーム対象の国際大会運営に200万ポンド以上を投資していきます。」

延期されたラグビーワールドカップ(オークランドとワンガレイで開催)の大会日程は、大会主要関係者との協議を行なった後発表されます。