• プレーヤーウェルフェア(選手の福祉・身の安全)に向けた、プレーヤー中心に考えた画期的なイニシアチブ
  • プール戦フェーズを1週間延長し、大会史上初めて全チームが最短5日間の休養日を確保できるようになる
  • RWC出場チームのスコッド人数を31人から33人に増やし、準備へ向けたさらなる支援につなげる
  • プレーヤーウェルフェアにおいて史上最高の大会となったJapan 2019の結果を受けた決断
  • RWC 2023ではプレーヤーへの負荷を削減することに焦点を当てた包括的なウェルフェア基準も導入
  • ラグビー生誕200周年を記念する9月8日に開幕し10月28日に決勝戦で閉幕

ラグビーワールドカップ理事会、ワールドラグビー 執行委員会、France 2023組織委員会、そして国際ラグビー選手会が、この画期的なプレーヤーウェルフェア一括援助策に合意、フランスで開催されるラグビーワールドカップ2023大会では全出場チームの休養日を増やし、今月末に発表される大会日程は大きく向上したのものとなります。

プレーヤーやファン、開催都市、そして開催国にとって最高の大会日程の策定に向けて、プレーヤーウェルフェアと競争力において近代大会史上最高の結果を生んだラグビーワールドカップ2019大会に関する徹底研究の結果を受け、ラグビーワールドカップ理事会とワールドラグビー執行委員会は第10回男子ラグビーワールドカップの主要基本方針を承認しました:

  • 全チームは、試合と試合の間の休養日を少なくとも5日間確保し、大会中の回復・準備期間を最適化
  • 大会の開幕を9月8日、閉幕を10月28日にする方向でプール予選期間を1週間延長して休養日を増やす
  • スコッドの人数も31人から33人に増やし、スコッド管理を支援
  • 大会開催中の移動時間や移動回数を最小限に抑える
  • ワールドラグビーは、プレーヤーにかかる負荷全般にフォーカスを絞り、包括的なプレーヤーウェルフェアと医療における水準レベルを上げることにコミットする

ラグビーワールドカップ史上初めて、出場チームの休養日を最短でも5日間確保して回復と準備がよりしっかりできるようにし、ワールドラグビーは新興国チームに配慮したこれまでで最もバランスの取れた大会日程の策定を目指します。正式な大会日程は今月末に発表します。

ワールドラグビーのラグビーワールドカップ理事会にとってプレーヤーウェルフェアは最重要課題であるとともに、ゲームでの身体的な負担がますます大きくなっている現状を踏まえ、国際ラグビー選手会の代表者、メロディー・ロビンソンとブライアン・オドリスコルがバランスの取れた休養期間の必要性を提唱し、France 2023組織委員会と出場チーム協会はそれを支持しました。

ラグビーの国際統括団体であるワールドラグビーは、大会におけるプレーヤーウェルフェアに関する包括的な基準プログラムの一環として最適なトレーニング負荷に関するガイダンスに必ず従うよう、世界のプレーヤー団体及び加盟協会と引き続き協議を行います。

加えて、大会開催期間を1週間延長することでより多くのラグビーファンを動員できるなど、開催国にとっても更なるメリットが期待されます。これにより、観光・接客業界への経済波及や全体的な経済効果が期待できるとともに、ソーシャルエンゲージメントやレガシープログラムにも好影響が与えられるでしょう。

ワールドラグビーのサー・ビル・ボーモント会長は次のように述べています。「本日はラグビーワールドカップ、そしてラグビーにとって画期的な日となりました。ラガーの息子を持つ父として、また元選手、ファン、そして管理者としての私にとってプレーヤウェルフェアは最重要課題です。常にプレーヤーを第一に考えて下したこの決定は、私たちの日頃のコミットメントを反映するものです。」 

「男子ラグビーワールドカップの大会スケジュールは、各5チームで4プールを構成するというフォーマットであることから、バランスの取れた試合日程を組むことが困難です。Japan 2019はバランスの点でもウェルフェアの点でも史上最高の結果を生んだ大会でしたが、試合によっては休養期間がどうしても短くなってしまったことがありました。France 2023と国際ラグビー選手会が協力して達成したこの決断により、全チーム、全プレーヤーが全対戦カードにおいて十分に実力が発揮できる、より平等な機会を提供することができます。これからは、移動を含め、プレーヤーにかかる全体的な負荷を緩和するための取り組みをチームとともに行なっていきます。」

「ワールドラグビー 、そしてFrance 2023組織委員会を代表し、開催都市及び開催会場、また協会とプレーヤーの皆様に対し、この取り組みに積極的にご協力いただいたことに感謝いたします。皆様とともに、素晴らしい、ラグビー生誕200周年にふさわしい歴史的な大会を実現することができるに違いないと信じています。」

「国際ラグビー選手会のCEO、オマー・ハサネイン氏は次のように加えました。「この決定はゲームにとって大変ポジティブなものであり、世界中のすべての加盟選手会が支持している決断です。この決定を支持し、大会日程を採択してくださったラグビー ワールドカップ理事会とワールドラグビーの管理者の皆様を賞賛いたします。」

ラグビーワールドカップ・国際ラグビー選手会代表理事のブライアン・オドリスコル氏も次のように述べています。「ゲームは、チームにとっての試合と試合との期間が短い競技としてはあまりにも身体的な負担が多く、激しいスポーツになっています。全チーム、特に強豪国のようなスコッドの厚みのないチームは(大会での戦いが)きつくなってきたと感じています。今回の決定はゲームにとってポジティブな前進であり、よりよい結論を生むため国際ラグビー選手会とワールドラグビー が協力して取り組むことができるということの実証です。」

ラグビーワールドカップFrance 2003組織委員会のCEO、クロード・アチェ氏も次のように加えました。「プレーヤーウェルフェアをさらに改善するためRWC France 2023運営予算を増やすというこの決断を下せたことを誇りに思います。この決定は、フランス全土でプレーヤーやファンの皆様に最高の大会を体験していただく、大変特別な大会となるFrance 2023を更に改善するものです。48都市で開催する素晴らしい試合への期待がますます高まります。大会では、開幕戦から決勝戦まで最高レベルの試合パフォーマンスを見ることができるでしょう。このことが今後の大会組織委員会へのレガシーとなることを願っています。」

ワールドラグビーと協会は、この決定により、プレーヤーウェルフェアにおける最高結果を生んだラグビーワールドカップ2019の功績を更に固めることができます。日本大会での1試合あたりの負傷による交代数は2015年大会の2.08 から1.13へ減少し、脳震盪の発生件数も2018年エリート大会平均との比較で28パーセント減少、タックルによる脳震盪の発生件数に関しても2018年のエリート大会平均を37パーセント削減しており、ワールドラグビーの損傷予防への継続的なコミットメントを証明しています。