ワールドラグビー は、第三者による暫定的勧告を理事会が承認した後、革新的なガバナンス改革に向けた取り組みを続けています。

ワールドラグビー のサー・ビル・ボーモント会長、そしてベルナール・ラポルテ副会長が選挙によって託された主要なコミットメント事項は、広範囲にわたるガバナンスレビューを行うことでした。その目標の中核は、普及し続けるラグビーの普遍性と多様性を反映しながらラグビー界のために尽くし、グローバルゲームの拡大に見合った健全な意思決定プロセスを支えるため、国際統括団体としての組織のガバナンス構造の効果とアジリティーを強化することでした。

サー・ヒュー・ロバートソン(英国オリンピック委員会会長・前オリンピック・スポーツ大臣)率いるワーキンググループの構成メンバーには多岐にわたる経験や専門知識を有する第三者専門家、加盟協会及びリージョナルアソシエーションの代表者、またラグビー新興国及びラグビー伝統国のプレーヤーをメンバーに迎えています。

この中間報告書では、意義のある改革を推進するための7つの勧告事項について発表しており、一方ワーキンググループは第2段階として的を絞って取り組むべき4つの分野について特定しています。

勧告事項 :

  • 選挙によって選出されたオフィシャルメンバーの倫理行動規範憲章
  • 理事、執行委員、所掌常設委員候補者適正テストの導入
  • 意思決定機関のインテグリティーと効果を保護する剛健な利益相反管理プロセス
  • ラグビーにおける女性の地位向上を目指し、委員会のメンバーの最低40パーセントを女性にすることを目標にする
  • 執行委員会を含む全ての委員会のメンバーにプレーヤー代表を入れることによってプレーヤーを中心に置いた意思決定を目指す
  • 委員会の構成についても、多様性、スキルセット、独立性、能力、地理的代表性に引き続き焦点を絞る
  • 今後も理事会を年2回のペースで開催。対面式会議を1回、リモート会議を1回

真にインクルーシブなプロセスでは、加盟協会、リージョン、国際ラグビー選手会(IRP)がガバナンス・ワーキンググループに意見を述べる機会が与えられ、64の協会、6リージョン、そしてIRPがアンケートに答え、ワールドラグビー の管理統制についての意見や勧告を述べます。

初回の結果を承認し、ガバナンス・ワーキンググループは、以下に挙げる注力領域を含む現在のガバナンスモデルにおける効果と主要な説明責任についてレビューし分析します :

  • 執行委員会の構成委員の選挙及び構成、委員になる条件と独立性のバランス
  • 委員会の構成、委員、報告系統
  • 加盟協会の定義・分類
  • 多様性とインクルージョン戦略の更なる前進

最新情報は2021年5月に開催されるワールドラグビー理事会の年次会合で理事会に報告されます。

ワールドラグビー のサー・ビル・ボーモント会長は次のように述べています。「ガバナンス・ワーキンググループの中間報告書、そして最初の7つの勧告事項を歓迎します。また独立議長であるサー・ヒュー・ロバートソン氏に対し、全者にとっての改善を目指すワールドラグビー が構築するガバナンスの革新的な改革に向けた明確で包括的なパスウェイへの重要な取り組みを進める同氏の素晴らしいリーダーシップに感謝いたします。」

「我々は可能な限り最善のガバナンスを構築し実行するという大志を抱き、この重要不可欠なプロセスを遂行し、ワールドラグビー の組織がラグビーの価値と普遍性を反映しているものであることを確認し、その効果と多様性を更に強化していきます。」

「我々のパフォーマンスは言葉でなく行動で評価するのがベストです。我々は、ラグビーという我々のスポーツをより関連性のある誰にでもアクセスできるスポーツにすることで、ラグビーを世界規模で拡大するという目標を達成するための大変良い方向へ向かっています。我々が実施するあらゆるガバナンス慣行、プロセス、手順はその目的に基づいた有意義な方法で実行しなければなりません。」

「このガバナンスレビューは独立性のあるプロセスを継続していきます。加盟協会、リージョン、そして国際ラグビー選手会の皆さまのフィードバックとご意見に感謝いたします。」

ベルナール・ラポルテ副会長は次のように述べています。「我々の主なコミットメントの一つは、ラグビー界の統括団体として可能な限り最善の組織構成とプロセス、また多様性をもったリーダーシップを構築するために当団体のガバナンスについて徹底的にレビューを行うことでした。そしてこのレビューの結果はその第一歩に過ぎません。」

「サー・ヒュー・ロバートソンとワーキンググループの皆さまは今後もその取り組みを続け、まもなく発表される我々の新規戦略計画を踏まえた現在のガバナンスモデルのレビューを行なっていきます。」

「ワールドラグビー は、我々のスポーツにおけるガバナンスをポジティブな形で変革していかなくてはなりません。その意味でこの初回の勧告を歓迎し、また、現在と今後のチャレンジに対応するため第2段階のレビューに意欲を燃やしています。」

このレビュープロセスは、より広範な協会の代表者と女性をワールドラグビー の最高決定機関である「理事会」のメンバーに迎えることとなった2015年に行った前回のレビューにより構築した強固な基盤に基づき行います。

この勧告は、全ての委員会をより広範の地域、女性、第三者、大企業、選手で構成し、3つの委員会には女性の委員長を迎えるなど特徴的な暫定委員会発足に関する最近の発表に続くものです。

編集後記:

ワールドラグビー は、2020年に出版された夏季オリンピック国際競技連盟連合(ASOIF)の国際連盟ガバナンス報告書第3版で上位グループに選ばれました。ASOIFガバナンス作業部隊によって評価された33の国際競技連盟のうちこのグループに選ばれたのはわずか6連盟でした。