日本はラグビーワールドカップの舞台で実績を残すまでにかなりの時間がかかったと言えます。しかし最近の2大会では、おそらく優勝チームに次ぐ最も大きな「サクセスストーリー」を綴ったチームでした。

ラグビーワールドカップ初出場以来24年間、一度も白星をあげたことがなく、145–17という大差で敗れるという残念な記録も残した日本が、2015年大会で南アフリカを破るという、ラグビーワールドカップ史上最大の驚きの番狂わせをやってのけ、2019年大会で開催国となった時には初めてベスト8入りを果たしました。

ワクワクする「ブレイブ・ブロッサムズ」のラグビーは観ている人を魅了しますが、プールステージでは避けたいチームでもあります。

日本のラグビーワールドカップストーリーを追っていきましょう。

RWCデビュー:1987年5月24日、ブリスベン、バリモアにてアメリカと対戦

RWC出場:33試合 ―  8勝、2引き分け、23敗、得点644点、失点1347点、勝率24パーセント

RWC出場最多選手:ルーク・トンプソン、14回

RWC最多トライ:松島幸太郎、6トライ

最高成績:準々決勝(2019)

RWC 2023大会出場権:2019年大会でベスト8入り

最も思い出深い試合:なんと言ってもラグビーワールドカップ2015年大会でのこれまでの通例を覆す画期的な34-32勝利、「ブライトンの奇跡」に尽きます。RWCで24年間一度も勝った事がなく、日本代表として唯一勝利を挙げた試合は対ジンバブエ。ブレイブ・ブロッサムズが巨大なスプリングボックスを破る可能性はほとんどありませんでした。しかし日本チームのハイテンポスタイルのラグビーに南アフリカは終始苦戦を強いられ、ラグビーワールドカップ史上最大の「番狂わせ」の犠牲者となりました。

象徴的な瞬間:(フィールド上) 2015年大会の南アフリカ戦での勝利を決めたカーン・ヘスケスのトライに沸いた日本チームの選手たちとファンの歓喜の表情。(フィールド外)台風19号(ハギビス)が去った後のとてつもない復旧活動の甲斐あって、日本チームの運命を左右するスコットランド戦が予定通り行われると発表された瞬間。

象徴的なプレーヤー:日本の「キャプテン・ファンタスティック」リーチ・マイケル。ラグビーワールドカップで過去最高タイ記録の7回をブラインドサイドから日本チームを率いたリーチ選手。主将として日本チームの勝率を驚きの71パーセントに引き上げました。ニュージーランド出身のリーチ選手ですが、日本人よりも日本人らしいと評判。2019年には日本で2番目に有名な日本人(1位は総理大臣)に選ばれました。

記録破り:2015年のイングランド大会で活躍した後、日本ラグビーのポスターを飾ったフルバックのゴールキッカー、五郎丸歩選手。南アフリカ戦では24ポイントを獲得して記録を作り、大会で出場した4試合で合計58ポイントを獲得しました。

知っていた? 2015年、日本はラグビーワールドカップのプールステージで3勝しつつも決勝ステージに進めなかった史上初のチームとなりました。開催国となった2019年大会では、プールステージでロシア、サモア、アイルランド、そしてスコットランドを破り、プールAをトップで通過し、初の準々決勝進出を果たしました。

引用:「振り返ると2011年以来、チームは驚くほど大きく成長しました。僕たちは歴史を作りましたが、これからが重要です。ベスト8入りはゴールではありません。次の試合を勝つ、そしてその次も。大切なことは目の前の試合に勝つ事。僕たちは日本のためもっともっと歴史を作りたいのです。」リーチ・マイケル選手の言葉。日本がラグビーワールドカップで初の準々決勝進出に満足せず、更なる成功に向かってハングリー精神を抱き続ける、と語りました。