- ニールセン社が新たにまとめたグローバル調査によると、2019年で世界のラグビーユニオンファンのフォロワー数は8億7700万人、ファン数は4億500万人に上り、2018年比でそれぞれ11%、18%の増加を記録
- 空前の拡大は、女子ラグビーとラグビー新興国におけるラグビーの人気の高まりと参加者の増加が牽引
- アジア初の開催となったラグビーワールドカップ2019は、ファンのエンゲージメントでの記録を破り、アジア全域でラグビーが拡大
- ラグビーは、チームワーク、規律、フェアプレーといったポジティブな価値の数々と強く関連している
- 調査対象となった17カ国のうち15カ国が5年前に比べてラグビーはより安全なスポーツになったと答えており、プレーヤーの身の安全に対する捉え方が向上
ラグビーワールドカップ2019の決勝戦からちょうど1年経った本日、ワールドラグビーが包括的な報告書を発表。2つのグローバル調査の結果をベースに纏められたこの報告書で、2019年はラグビー新興国と伝統国の両方においてラグビーというスポーツが大きく飛躍した一年であったことが明らかになった。
ラグビーにとってゲームチェンジャーとなったこの年、ラグビー界における女性たちの存在感の高まりと、日本中を熱く巻き込んだラグビーワールドカップ2019日本大会の開催によって競技の魅力が顕著に強まった結果ラグビーへの関心度が急激に高まった。
測定・データ分析業界の世界的なリーダーであるニールセン社が行なった調査は、ラグビー伝統国及び新興国の両方からデータを収集して分析し、その主要な結果を「Global Reach of Rugby 2019(グローバルリーチ・オブ・ラグビー2019)」と題した白書にまとめ、本日リリースした。
グローバルリーチ・オブ・ラグビー2019をダウンロードする >>
Global Reach of Rugby 2019 (グローバルリーチ・オブ・ラグビー2019) – 主な結果
- ラグビーへの関心は世界中で大きく拡大。2019年時点でのラグビーのフォロワー数は8億7700万人に上り、2018年比で11%増
- 2019年時点でのラグビーファンの推定人口は4億500万人、熱心なファンは1億2600万人で、2018年の数字をそれぞれ18%、17%の上昇
- 女子ラグビーへの関心の高まりは、伝統国で45%、新興国で27%上昇。2018年との比較ではそれぞれ15%、22%増加
- 調査対象国36カ国における女子ラグビーファン人口は2019年時点で1億4000万人を超え、2018年比で29%増加
- 男子ラグビーの人気も世界的に上昇。伝統国では63%、新興国では30%上昇し、2018年比で11%、15%それぞれ上昇
- ラグビーはポジティブな価値の数々と関連しており、伝統国ではフォロワーの3分の2がラグビーはポジティブな模範となっていると答えている
- 日本で開催されたラグビーワールドカップ2019後、日本でのラグビーへの関心は急上昇し、2019年における熱心なファン人口は4倍に、ファン人口は138%増加
- RWC 2019の感動がアジア全土に。インド国民の14%(前年比で75%増)がラグビーに興味を持ち、タイ、フィリピン、マレーシア、ベトナムがラグビーワールドカップ2019テレビ視聴者数の世界ランキングで上位20位入り
- 調査対象となった新興国では2013年以降、ラグビーファン人口が2倍近くの1億6800万人に拡大。特にブラジルとインドで顕著に増加。
- ラグビーのフォロワー数は65%増加。2019年ラグビーとのエンゲージメント率で特に高かったのはラグビーワールドカップ2023の開催国として盛り上がりを見せるフランスだった。
ワールドラグビー 、サー・ビル・ボーモント会長は次のように述べています:「ニールセン・グローバルリサーチが纏めたこの調査結果は、歴史的なこの素晴らしいラグビーワールドカップで示されたように、2019年がラグビーにとって素晴らしい一年であったということであり、女子ラグビーの人気や新興国でのラグビーへの興味が顕著に高まったことで、世界全体におけるラグビーへの関心が高まりました。」
「特に日本、そしてアジア全域で驚異的に拡大しました。グローバルスポーツが「新たな常識」に順応する中、この勢いを維持しながらワールドラグビー は加盟協会、パートナー、その他のステークホルダーと密に連携を取りながらプログレッシブでサステナブルな変化を遂げ、私たちのスポーツが今後も発展し続けるよう取り組んでいきます。」
「この調査結果は新型コロナウィルス感染パンデミックの前にまとめられたものですが、安全で安心、またより強固な環境を整えて国際ラグビーの復帰を果たすため一丸となって取り組む中、この調査で明らかになったポジティブな結果は、私たちが前向きになれる理由を与えてくれました。」
ニールセン・スポーツ&エンターテイメントUK&アイルランドの取締役、スペンサー・ノーラン氏も次のように述べています。「2019年は確かにラグビーにとって成功の年でした。そして成功のハイライトとなったのは、間違いなくアジア初開催となったラグビーワールドカップでした。2019年大会開催後、85カ国におけるラグビーファン人口(ラグビーに興味がある、または非常に興味があると答えた人の数)は3億4400万人(2018年時点)から4億500万人に増加しました。1年間で6000万人以上増加するという驚くべき成長です!」
「サッカー、バスケットボール、テニス、モータースポーツ、ゴルフなど他のメジャースポーツと比較しても、ファン数の拡大において2019年のベストパフォーマーはラグビーユニオンでした。」
編集後記
ニールセン社がまとめる「Global Reach of Rugby(グローバルリーチ・オブ・ラグビー)」年次調査は2019年11月に行われ、世界のラグビーファンに関する傾向と洞察を提供。17カ国を対象に、世界におけるラグビーの現状とワールドラグビー 、加盟協会、また広範囲にわたるラグビーファミリーがラグビーの発展に向けた1年間の進展について理解するためのデータを収集。
ニールセン社はラグビー伝統国11カ国と新興国6カ国のラグビープレーヤーを対象にデータ収集を行い、1カ国における代表的回答者500人を対象に30分間のインタビュー調査をオンラインで行った。国の代表的サンプルに加え、各国からラグビーフォロワー500人を選んだ二次グループを対象にデータを収集した。
この調査は2017年11月と2018年12月に行った調査と比較することが可能。
Global Reach of Rugby調査は、ニールセン社が世界で活用しているあらゆるスポーツに関する包括的な調査、「ニールセンSportsDNA」と組み合わせ、36カ国における16〜69歳の代表的人口1000人を対象にオンライン調査を行い、ラグビーに興味を持っている人の人数(「非常に興味がある」「興味がある」「少し興味がある」または「全く興味がない」)を調べた。インドと中国では、それぞれ11の主要都市のネット人口の代表回答者として2000人を調査対象として調査を行なった。
外挿に用いた人口は本調査サンプルに代表される集団として16から69歳までの各国の総人口をベースにしている。
ニールセン社は、その後ラグビーへの関心度のレベルと、各国で公表されている10種の統計(ラグビークラブ数、登録ラグビープレーヤー数、男子ラグビープレーヤー数、女子ラグビープレーヤー数、総人口、都市人口、GDP、Facebook利用者数、インターネット普及率、携帯電話契約者数)との関連性を調べた。
この回帰分析の結果は、一次調査を実施していない49カ国におけるラグビーの関心度を予測するための推測モデルであり、調査を実施した36カ国と未調査49カ国の統計学的相関性を構築することにより、85カ国におけるラグビーユニオンファンの絶対数を予測。
このモデルではTop 2 Box InterestのR²値が0.96であり、調査対象となった36カ国のデータに基づき、実際のTop 2 Box スコア(ラグビーに興味がある、または非常に興味がある人の人数)との一つの標準誤差 (+/-5%)内で96パーセント予測が可能。
ワールドラグビー は、ニールセン社が2019年11月、2018年5月、2017年5月に実施した調査と、2013年5月から記録している13カ国の年次データとの比較が可能。