ワールドラグビー は、ジョー・シュミット氏をラグビー&ハイパフォーマンス部門のディレクターに任命すると発表しました。
プレーヤーウェルフェア(プレーヤーの身の安全と福祉)、トレーニング及び教育を含むハイパフォーマンス、マッチオフィシャル、そしてテクニカルサービス部門を統括する新設部門の責任者として、シュミット氏が指揮をとることになりました。シュミット氏は11月2日付けでワールドラグビー に入ります。
ワールドラグビー の「コーチ・オブ・ザ・イヤー2018」に輝いたシュミット氏は、2010年から2013年までレンスター、そして2013年
から2019年にかけてアイルランド代表チームのヘッドコーチを務めており、ワールドラグビー の所在地であるダブリンには縁の深い人物です。
同氏の世代で活躍したハイパフォーマンスヘッドコーチの中でも最も成功を収め、多くの人々の尊敬を集めた彼の業績については広く知られています。アイルランド代表チームを率い、2018年にはグランドスラムを勝ち取るなど6カ国対抗で3度の優勝に導き、アイルランド代表を空前の強豪チームに伸し上げました。シュミット氏の指導の下、アイルランドは2019年の9月に初めてワールドラグビー 男子世界ランキングの1位の座に躍り出ました。
レンスターのヘッドコーチを務めていた3シーズンの間、アイルランドのクラブチームであるレンスターは欧州ラグビーの首位を占める強豪チームとなり、6回の大会決勝進出を果たし、うち4回を勝ち取っています(PRO12優勝、欧州杯(ラグビー・ヨーロピアンカップ)での2度の優勝、欧州チャレンジカップの優勝)。レンスターのヘッドコーチを務める前はASM クレアモント・オーベアンのアシスタントコーチを務め、2010年にはクラブ史上初のTOP 14優勝に導きました。
シュミット氏はワールドラグビー で既に活動を始めており、プレーヤーにかかる負荷に関するガイダンスワーキンググループ、またブレークダウン・ワーキンググループなど、プレーヤーウェルフェアの向上を目指してワールドラグビー が運営する様々な作業部会に参加しています。
この任命によって、シュミット氏は新設部門である「ラグビー&ハイパフォーマンス」部門を率いることになり、ワールドラグビーCEO( 最高経営責任者)ブレット・ゴスパーに報告、ラグビーをよりシンプルで安全な、プレーヤーや観客にとってより楽しいスポーツにするため、統括団体の意思決定手順の中にコーチ、プレーヤー、そしてマッチオフィシャルの意見もこれまで以上に取り入れるというワールドラグビー の目標を反映させていきます。
シュミット氏は次のように述べました。「私はこの任務をスタートするのを楽しみにしています。私はラグビーに情熱を注いでおり、子供から「ヤング・アット・ハート」の大人までみんながラグビーに夢中であり続けて欲しいと強く願っています。プロラグビーはこのスポーツのショーピースであり、ゲームのプレー方法やプレーヤーの管理についての議論に主要なステークホルダーが参加することは有益なことです。」
「今年はこれまで困難な年となり、今後も当分は難しい状況が続きそうですが、いくつかの大会が再始動し、見応えのあるエキサイティングな試合の数々を観ることができるのは大変嬉しいことです。」
ゴスパー氏も次のように述べています。「ジョーのような度量とノウハウ、そして世界的な信頼を持った人物を当団体のこの新たな戦略的重要任務に任命できることを大変嬉しく思います。」
「私たちは国際連盟として、プレーヤー、コーチ、マッチオフィシャル、加盟協会、そしてもちろんファンの皆様などラグビーにとって最も重要なステークホルダーとの繋がり、そして協力体制を継続的に強化していかなければなりません。最高レベルでのハイパフォーマンスゲームの管理の進化を10年以上牽引してきた人物がこの任務に就くことは大変素晴らしいことです。」
「国際ラグビーが今週末に再始動し、ラグビーワールドカップ2021ニュージーランド大会開幕とラグビーセブンズの東京オリンピック大会での晴れ舞台まで残り1年を切った今、また世界中で急激に拡大し成長を続けるラグビーにとって非常にエキサイティングなこの時期に、ジョーがワールドラグビー に加わります。」
ワールドラグビー の副会長兼ハイパフォーマンスラグビー、コミュニティラグビー委員長のベルナール・ラポルト氏は次のように付け加えました。「新たに設置したラグビー&ハイパフォーマンス部門の責任者という重要な職務に就任するジョーを温かく歓迎します。」
「ジョーは卓越したテクニシャンであり大局観の持ち主です。彼がもつノウハウは、最高水準のプレーヤーウェルフェアを担保しつつ、誰でもアクセスできるより魅力的なスポーツにしていくというハイパフォーマンス・ラグビー委員会の目標にぴったり合います。ジョーのようなワールドクラスのテクニカルゲームリーダーをワールドラグビー に迎えることは、ステークホルダーとともにこのビジョンを推し進めていく上で必要不可欠です。」
今回のこの任命は、ラグビーコンペティションマネジャーとして経験豊富なナイジェル・キャス氏が新たなラグビー・コンペティションディレクターに就任するという先週の発表に次ぐ任命となります。
ワールドラグビー は、Korn Ferry Irelandのマネジングディレクター、ボブ・ケーシー氏と彼のチームの皆様にこの重要な任命にあたりサポートをいただいたことに感謝いたします。