NZの伝説的SOであるアンドリュー・マーテンズはラグビー界で様々な栄誉を獲得しているものの、その輝かしいキャリアにおいて彼がラグビーワールドカップの優勝杯を手にすることはなかった。黒いジャージーを身に纏い、1995年と1999年に最有力優勝候補として大会に臨んだが、ラグビー界最大の舞台では二度に渡って失望を味わったのだ。

前回NZ大会で優勝したニュージーランド代表は、ここ5年間に渡って世界ランキングでもトップの座を享受している。スティーブ・ハンセン率いるオールブラックスは今秋の大会でも史上初の2大会連続優勝を目指している。ラグビーワールドカップ史上において、ウェブエリス杯を連続して掲げたチームはまだいないのだ。

だが、NZ代表キャップ70を獲得し実に輝かしいキャリアを持つマーテンズは、自分の現役時代のどの大会よりも今大会が一番ハードになると予想している。五つのチームのうちどれもが優勝の範囲内にあり、予想外な結果も覚悟するべきと語る。

「オールブラックスは2大会連続優勝の夢を達成する実力は持っています。しかし、実現するかどうかは全くの別問題です。今回のワールドカップでは多くのチームが自信を持って大会に挑むため、真の大者を決める激しい戦いになることでしょう。」

「オーストラリアが自信に欠けていることは滅多にありません。最近は永遠のライバルであるオールブラックスを破ることはできていないものの、スコッドには強く危険な選手が多く、前王者にとって決して油断のできる相手ではありません。」

「南アフリカは伝統的な強国であることは言うまでもありません。身体が大きく、フィジカルに強い選手が多いスプリングボクスは力強いパフォーマンスを見せてくれでしょう。」

「ホームアドバンテージを持つ開催国のイングランド代表も強敵です。近年イングランドのラグビーは、特にクラブチームの強化に成功し、選手のスキルや攻撃の姿勢も向上しています。このようにクラブレベルで見られるプレーの改善や強さといった要素は、必ず代表チームにとっても大きなプラスとして現れることでしょう。」

「そしてアイルランド代表の最近のパフォーマンスを見逃すことはできません。彼らの団結力と情熱溢れるプレースタイルは、ジョー・シュミットHCの下で上手くチーム作りに活かされています。」

「フランス代表は相変わらず予測不能です。もしかしたらノックアウトステージにはいないかも知れないし、或はチームの調子が良くて選手がまとまっている試合では彼らはどのチームからも勝利を奪う可能性を秘めています。」

「今回のワールドカップが史上最高の大会になることを期待しています。2ヶ月間に渡って現地で大会をフォローすることを本当に楽しみにしています。」