福岡選手は4試合で4トライを開けた昨年のワールドカップ終了後、7人制で東京オリンピックを目指し、2016年リオデジャネイロ・オリンピックで4位となり、メダルを逃した雪辱を晴らしたいと公言。年明けから始まったジャパントップリーグもパナソニックでの出場を2節までで見送り、15人制を離れて男子セブンズ日本代表の強化合宿に参加していた。

 しかしその後、新型コロナウィルス感染拡大の影響でチーム活動は休止を余儀なくされ、今年7月に開幕予定だった東京オリンピックも1年の延期が決定。そして今回、日本ラグビーフットボール協会は6月13日に東京オリンピックを目指す男子7人制日本代表候補の離脱者リストを公表。そこに、福岡線手の名前が並んだ。

27歳の俊足プレーヤーは、かねてより医師を志して医学部進学の意向を示しており、東京2020が1年延期されたことを機に、進学を優先させることにしたと見られている。

 福岡県古賀市出身のウィングは、2014年4月のフィリピン代表戦で15人制日本代表にデビュー。筑波大学在学中の20歳の時だった。

その後、100メートルを5秒台で走るという足を活かして国際舞台でも活躍を重ね、2015年ワールドカップにも出場。昨秋のワールドカップ日本大会ではプール第2戦で優勝候補のアイルランドと対戦し、勝利を呼び込む逆転トライを決め、8強進出を決めたスコットランドとのプール最終戦では2トライをマーク。さらに、この試合では見事なオフロードパスでWTB松島幸太朗選手のトライもお膳立てし、マン・オブ・ザ・マッチに選出された。代表通算成績は38試合で25トライ。

 パナソニックには2016年に加入し、トップリーグでも俊足を活かして相手を翻弄。チームの勝利に貢献し、2017年と2018年と2シーズン連続でリーグのベストフィフティーンに選ばれた。また、2017年から2019年はサンウルブズのメンバーとしてスーパーラグビーでもプレーした。

福岡選手は14日にオンラインで会見を開き、今後について話をする予定だ。

 

桑水流選手、橋野選手らも離脱

 なお、福岡選手とともに、日本が4位に終わった4年前のリオデジャネイロ・オリンピックで活躍した桑水流裕策選手(コカ・コーラ)と橋野晧介選手(キヤノン)、さらに、山内俊輝選手(リコー日本ラグビー協会)、ジョー・カマナ選手(コカ・コーラ)も、オリンピック代表候補から離脱した。

 32歳の橋野選手はチームを通じて、「東京オリンピックを目指していましたが、1年延期が決まったときに、よし1年後!とはなりませんでした」とコメントした。橋野選手は、所属のキヤノンで15人制でのプレーを続けるという。