トップリーグの強豪パナソニックに、昨年のラグビーワールドカップで活躍した2人の選手が加入。PR稲垣啓太選手やHO堀江翔太選手ら日本代表選手も多く擁する新天地で、活躍が期待される。

 イングランド代表として45キャップを誇るクルーズ選手は、2019日本大会で6試合に出場し、チームの準優勝に貢献した。2014年の代表デビュー後、2015年イングランド大会を含めシックスネーションズなどで代表キャリアを重ねて、エディ・ジョーンズヘッドコーチの下で主力の一人に定着した。2017年にはブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズのニュージーランド遠征でテストマッチ1試合を含む5試合に出場している。

 イングランド・プレミアシップのサラセンズでは2009年のプロデビューから今季までプレーしてきたが、サラセンズが選手のサラリーキャップ制度違反で制裁を受けて来季の2部降格が決定。クラブを離れるのは時間の問題と見られていた。

 今年2月に30歳になったクルーズは、「昨年の素晴らしいラグビーワールドカップを経て日本のラグビーがとても盛り上がっているこの時期に、ロビー・ディーンズヘッドコーチ率いるパナソニック・ワイルドナイツに加入して、自分のキャリアの新たな挑戦ができるに非常に興奮して光栄に思います」とコメントした。

 一方、パークス選手はニュージーランド出身ながらウェールズ代表でプレーする。代表デビューは2017年12月ながら29キャップを保持する。2019年シックスネーションズでは全勝優勝。昨年のワールドカップでは7試合すべてに出場して1トライもマークし、ウェールズの4強入りに貢献した。

 32歳のパークス選手は、ブルーズ、キングス、ハリケーンズなどスーパーラグビーを経験してきたが、2014年にウェールズにスカーレッツに移り、プロ14に活躍の舞台を移すと主力に定着。3年間の居住条件を満たして2017年にウェールズ代表に招集された。

 パークス選手は、「パナソニック・ワイルドナイツという一流のチームに加入する機会をいただき、とても光栄です。ワールドカップの時は日本での時間を楽しみましたが、今年の後半に来日したら、妻や幼い娘と一緒に日本での生活を経験することを楽しみにしています」と述べている。

 パナソニックのディーンズヘッドコーチとは「以前から面識があった」といい、「彼のスコッドも彼のプログラムもチームに優勝への最高の可能性を与えてくれると確信している」と語り、新天地での新たなチャレンジを心待ちにしている。

神戸製鋼はカーター選手ら、サントリーはギタウ選手らが退団

 先週末、神戸製鋼コベルコスティーラーズが元ニュージーランド代表SOダン・カーター選手と神戸で主将も務めた元代表同僚のSHアンドリュー・エリス選手の今季での退団を発表。カーター選手は4月半ばに自身のSNSで退団を示唆していたため、クラブの発表で確認される形になった。

 38歳のカーター選手は2018年に加入すると1年目から活躍し、チームの2018-2019シーズン優勝に貢献。リーグMVPやベストキッカー賞も受賞した。一方の36歳のエリス選手は神戸に6年在籍し、優勝時には強いリーダーシップでチームを引っ張り、まとめた。

 一方、サントリー・サンゴリアスからは、元オーストラリア代表SO/CTBマット・ギタウ選手、元日本代表のSO/CTB小野晃征選手らがチームを去ることが発表された。

 37歳のギタウ選手は、オーストラリア代表で103キャップを獲得した経験豊富なプレーを2017年からサントリーで披露。その年のリーグのトップフィフティーンに選出される活躍でチームを優勝に導き、新型コロナウィルス感染拡大の影響で中断のまま打ち切りとなった今季は、共同主将も務めていた。

 小野選手(33歳)は、日本代表としてワールドカップ2大会に出場するなど34キャップを保持。2015年イングランド大会の南アフリカ戦では先発を務めた。サントリーでは2012年からプレーし、トップリーグと日本選手権の2冠制覇を3度経験するなどチームの勝利に貢献した。

 また、マオリ・オールブラックスの経験もあるLOジョー・ウィラー選手(32歳)も、2016シーズンからのトップリーグ2連覇に貢献したが、今季限りでサントリーを離れることになった。

 それぞれのチームから偉大な選手たちが去った一方で、新たに国際経験豊富な選手が参戦する。トップリーグの次のシーズンも、再びファンの注目を集めそうだ。