オーストラリア代表で2007年と2011年のラグビーワールドカップ出場を含めて51キャップを保持するバーンズ選手は、6季プレーしたパナソニック・ワイルドナイツから今季リコーに加入。年明けに始まったリーグでは開幕から3戦連続で出場していたが、シーズンは新型コロナウィルス感染拡大を受けてリーグが2月末から中断。その後、そのまま今季は打ち切りとなり、バーンズ選手はファンの前に姿を見せないままの退団となった。

バーンズ選手はブラックラムズの公式サイトで、「選手のみんな、私のことを本当に歓迎してくれて、リコーファミリーの一員にしてくれてありがとう。フィールド内外で、もっと貢献できず申し訳ない。残念ながら、私の体はこれまでできていたことをこれ以上やらせてくれず、それが引退を決めた理由です」とコメントし、チームメイトに感謝を伝えながら、腰の手術を受けるなど、負傷で思うようなプレーができなかった無念さをにじませた。

 身体のケアと闘いながらのシーズンに、来月28日に34歳になるバーンズ選手はチームスタッフへの感謝の言葉を紡いだ。

「リコーを代表する機会を与えていただいたことを感謝します。神鳥(裕之)監督のリーダーシップから多くを学び、フィールド内外で等しく協力的だったオーストラリア出身コーチ陣にも温かく迎えてもらいました」

リコーのメディカルスタッフに対しても、「本当に感謝しています。腰の手術後、グラウンドに戻るためのサポートをありがとうございました」と語った。

 バーンズ選手は2007年に代表デビュー。その年のワールドカップでは初戦の日本とのプール戦に後半途中から出場してトライも決め、第2戦のウェールズ戦、第3戦のフィジー戦では司令塔として先発し、チーム3連勝に貢献した。

 ワラビーズでは2008年からのロビー・ディーンズ体制でも活躍し、2013年6月のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズとの対戦までテストマッチ51戦に出場した。

 2006年からはクイーンズランド・レッズでスーパーラグビーのキャリアをはじめ、2010年から2013年までNSWワラターズでプレー。

その後、13年後半からはパナソニックに加入。翌年、オーストラリア代表元ヘッドコーチのディーンズ氏がパナソニックのヘッドコーチに就任すると、チームの土台づくりとリーグ3連覇と準優勝1回の黄金期の構築に大きく貢献した。

2013-2014年と2014-2015年には2シーズン連続でリーグのMVPを獲得。ベストフィフティーンにも4回選出され、2014-2015と2015-2016シーズンにはベストキッカー賞、2014-15シーズンには13試合で156ポイントを挙げて得点王にも輝いた。トップリーグのリーグ戦通算では55試合に出場して528得点(8トライ、120 コンバージョン、81 ペナルティゴール、1ドロップゴール)をマークした。