対象となるサンウルブズの試合は、3月8日に大阪の花園ラグビー場でのブランビーズ戦と、翌週14日に東京の秩父宮ラグビー場でのクルセイダーズ戦の2試合だ。

 新型コロナウィルスの感染拡大が懸念される中、2月24日には日本政府の専門家会議が「この1~2週間が国内で感染が急速に拡大するか否かの瀬戸際」とする見解を発表し、25日には政府が今後2週間のスポーツや文化イベントや大規模な集会の中止や延期、規模縮小を要請していた。

会見に臨んだジャパンエスアールの渡瀬裕司CEOによれば、一昨日からスーパーラグビー統括団体のSANZAARと協議を重ね、シーズン最終節の日程が決まっているなどから、海外で行うのが妥当と判断したという。

代替え開催地は、オーストラリアやニュージーランドという対戦相手の国内となる可能性が高いが、日時や試合会場の詳細は2月28日にSANZAARから発表される予定だ。

 花園でのブランビーズ戦は、参戦5年目でスーパーラグビー最終シーズンとなる今季初めて用意された舞台で、チケットは翌週の秩父宮での試合とともに、すでに約1万枚が売れていたという。チケットについては払い戻しに応じる。

 サンウルブズの国内開催は4月5日のレッズ戦以降、東京の秩父宮ラグビー場で4試合が予定されているが、開催実施か否かは、今後の感染の状況を見ながら判断することになるとしている。

 「楽しみにしていたファンに申し訳ない」と話す渡瀬CEOは、無観客試合での開催も考えたことを明かし、「何がベストか考えて、国外でやった方が良いということになった。ホストする側としては不安なく、相手チームにも入ってきてほしい」と厳しい表情で説明した。

 なお、現在遠征中のサンウルブズのチームは、そのまま遠征を続けて当該2試合を戦い、その後も引き続いてアウェイ戦に臨み、約6週間を遠征で過ごすことになった。

 日本政府のイベント自粛要請を受けて、日本国内では多くのスポーツで試合開催の中止や延期、あるいは無観客での開催が発表になっており、ラグビーのジャパントップリーグも25日にむこう2週間のリーグ戦開催を延期している。