初優勝を目指すジュニアジャパンにとって、大会3連覇中のフィジー・ウォリアーズは乗り越えなければならない壁だったが、相手の攻撃を止めることはできず、今回も願いは叶わなかった。

 4日前の初戦でサモアAに31-21で勝って好スタートを切っていた日本は、初戦でトンガAに56-14と快勝したフィジー戦へ先発に新たにHO島根一磨選手と日本代表キャップも保持するFLファウルア・マキシ選手を起用。初戦ではリザーブスタートだったPR紙森陽太選手とPR小鍛冶悠太選手を加えてフロントロー3枚を入れ替えた一方で、NO8福井翔太選手、SH齋藤直人選手、SO片岡智樹選手を2戦連続での先発起用で臨んだ。

だが、開始早々からフィジーがポゼッションで優位に立ち、パワフルな走りで日本を圧倒する展開となった。

最初の失点は試合開始73秒でCTB Veresa Tuqovu選手にトライを許し、21分にFWの突破から相手ウィングにつながれてトライを決められると防戦一方になり、26分、30分と立て続けにトライを許した。

30分の失点は、日本が22メートルライン付近へ攻め込んだところで、Frank Lomani選手にブレイクダウンでボールを奪われて、カウンターを許した。WTB Tira Patterson選手に独走され、SO Caleb Rava Muntz選手のコンバージョンも成功して26-0とされた。

日本はスクラムで相手にプレッシャーをかける場面も見られ、33分に相手陣内22メートルライン付近でのスクラムからWTB望月裕貴選手がトライ。さらに37分には岸岡選手が抜け出してつなぎ、最後はCTBシオサイア・フィフィタ選手がゴール下に5点をマーク。齊藤選手のコンバージョンも決まって12-26と点差を詰めた。

日本は後半開始から約10分は粘ったものの、フィジーは50分にインターセプトからトライを奪うと、その直後にはPatterson選手に走られ、57分には同選手にハットトリックを決められた。62分にも1トライ1コンバージョンで52-12とされた。

それでもジュニアジャパンは反撃をあきらめず、65分にラインアウトからモールで押し込んでペナルティトライを獲得して19-52。その後、フィジーに2本のトライを決められて66-19とされた後にも、ゴール前のPKからWTB木田晴斗選手がトライを決めたが、終わってみれば相手に10トライを許す大敗だった。

 「本当に悔しい」と福井主将は話し、「この悔しさを絶対に忘れないで次につなげていきたい」と前を向いた。

チームを率いる水間良武監督は、「アタッキングマインドをキーワードに臨んだが、キックで相手にボールを渡すシーンが多く、結果的に相手に攻める機会を多く与えてしまった」と敗因を指摘。その一方で、「ボールキープできている時間帯は、しっかり得点もできていた」と、評価できるプラス要素を挙げた。

 日本は昨年、一昨年で敗れた時には、点差はここまで大きく開かなかったものの、後半は無得点に抑えられた。今回は前半2トライ、試合終盤にも2トライを奪い、ボーナスポイントも手にした。

福井主将「貴重な経験」

 今回の大会参加メンバーに、日本が今夏のU20トロフィーでU20チャンピオンシップ昇格を目指すU20代表候補が多く名を連ねているように、フィジーにもU20代表選手は少なくない。フィジーは今年6月のU20チャンピオンシップに出場し、日本が今夏の大会で対戦することはないが、今回の対戦でこの年代での世界レベルを垣間見ることになった。

 ジュニアジャパン主将の福井選手は、「ここまで、日本国内ではできない貴重な経験を住み重ねていると思う」と話す。

 残すは1試合。大会最終日の3月16日(土)に日本はトンガAと対戦する。

 トンガAは第2戦でサモアAと対戦し、主将のFB Liueli Simote選手が試合終了間際に45メートルのPGを決めて13-12で競り勝ち、今大会1勝を手にして勝点4でサモアAは2連敗で勝点1。日本は勝点6で2位。首位は2連勝で勝点10のフィジーだ。

福井選手は「最終戦を勝利で終えることができるように、いい準備をしていきたい」と語り、水間監督も「攻め続けられるようにしたい」と話して、引き続き攻めの精神で攻撃的なプレーを続ける意向を示している。

Photo: ZoomFiji