アイルランドのジョニー・セクストンとフランスのジェシー・トレムリエは、20日のモンテカルロで開催されたワールドラグビーアワードにて、それぞれマスターカード協賛の2018年ワールドラグビー男子・女子年間最優秀選手賞を受賞しました。

モナコ公国のアルベール2世大公殿下、そして過去・現在の偉人たちも出席され、ラグビー関係者は素晴らしい実績を残した人たちを祝福しました。

セクストンは、2018年のワールドラグビー男子年間最優秀選手賞を受賞しましたが、これは2001年にキース・ウッドが受賞して以来のアイルランド選手となります。
彼は、ニュージーランドのフライ・ハーフ、ボーデン・バリット(過去2年の受賞者)、ウインガーのリエコ・イオアネと南アフリカのスクラム・ハーフ、ファフ・デクラークとフッカーのマルコム・マークスという4人の候補者をおさえ、この賞を受賞しました。
セクストンは、喉の調子が悪く声が出づらかったため、アイルランドのキャプテンであるローリー・ベストが受賞コメントを代わりに読み上げました。「チームメイトとコーチに感謝します。 No.10がこのような賞を受賞するということは、チームのみんなとコーチがいてくれたからこそだと思います。彼らがいることで自分もいい仕事ができました。私たちのチームには世界で最も優れたコーチたちがおり、またローリー・ベストも私たちを上手く導いてくれています。

「またずっと一緒にいてくれた妻ローラにも感謝したいと思います。私たちには3人の小さい子供がいますが、彼女は私が日々の仕事に専念できるように本当に頑張ってくれています。彼女なしではこのようなシーズンにはならなかったでしょう。このような信じられないほどの名誉ある賞をありがとうございます。他の候補者の方々にも賞賛を送りたいです。候補者の方全員が受賞する可能性があったと思います。」
レ・ブルーのシックスネイションズでの優勝に貢献したトレムリエがフランス初のワールドラグビー女子年間最優秀選手賞を受賞しました。
彼女は、フランスのチームメイトであるガエル・エルメ、サフィ・ンジャイ、ポリーヌ・ブルドン、そしてニュージーランドのキャプテン、フィアオ・ファアマウシリの4人の他の候補者をおさえての受賞となりました。
トレムリエは次のように語りました。「昨年はけがをしてしまい、最高の試合をするには何かが欠けていると感じフラストレーションが溜まっていましたが、同時に私は世界最高の選手になりたいとも思っていました。そしてそれが現実になりました。本当に素晴らしいことだと思います。何年にも渡り多くの人々が私を支えてくれ、私はその全員に感謝したいと思います。」

ワールドラグビー会長のビル・ボーモントは次のように語りました。「今年もまたラグビー界にとって実りある年となりました。今年起こった卓越した業績を今夜私たちは称えました。」

「2018年の記憶に残る選手やコーチ、チームから、ゲームを成長させる中心であるボランティアの方々全員に、私たちは敬意を表します。」

「もう一度申し上げます。受賞者を選ぶのは大変難しいことでした。受賞しなかった全ての候補者の方々も、それぞれご自身の中での受賞者です。受賞者たちには卓越したラグビーの架け橋となってくれたことを祝福したいと思います。またモナコ公国、そして今回この祝典を熱狂的に歓迎してくれた殿下のお心遣いにも感謝いたします。」

受賞された方々は独立した委員会によって選ばれ、シックスネイションズの試合から11月のインターナショナルズまでの活躍を見て投票しています。アワードに関する詳細はこちらよりご覧ください。

マスターカード協賛ワールドラグビー男子年間最優秀選手賞 – ジョニー・セクストン(アイルランド)

33歳で候補者最年長であったセクストンは、ワールドラグビーランキングでアイルランドを2位まで浮上させた立役者です。シックスネイションズで優勝し、39年ぶりにオーストラリアで初のシリーズ優勝、またアイルランドの地で初めてニュージーランド相手に勝利を納めました。バックラインで落ち着きを見せるベテランのフライ・ハーフの今年は、対フランス戦で勝利を確実にするために試合終了間際にドロップゴールを蹴ったことで始まりました。また9回のテストマッチのうち8試合をスターティングメンバーとして出場し、99点を獲得しました。

候補者: ボーデン・バリット(ニュージーランド)、ファフ・デクラーク(南アフリカ)、リエコ・イオアネ(ニュージーランド)、マルコム・マークス(南アフリカ)

マスターカード協賛ワールドラグビー女子年間最優秀選手賞 – ジェシー・トレムリエ(フランス)

トレムリエの才能に関しては今までも決して疑問の余地はありませんでしたが、2018年は彼女にとってまさに最高の年でした。女子シックスネイションズで彼女は最高得点者、そしてジョイントトップ・トライ獲得者となりました。26歳の彼女は自分の信念を貫き、初めてフルバックというポジションを選び、守備を突破したのです。土壇場での勝利を決めたイングランド戦では2トライをあげました。サッカー選手時代に磨き上げられたキックの技術も見せました。グランドスラムの成功後に彼女はセブンズに移り、フランスは初のワールドラグビー女子セブンズシリーズカップ決勝に進出し、三位という自己最高記録を残しました。けがのため世界チャンピオンのニュージーランドとの11月シリーズには出場できませんでした。

候補者:  ポリーヌ・ブルドン(フランス)、フィアオ・ファアマウシリ(ニュージーランド)、ガエル・エルメ(フランス)、サフィ・ンジャイ(フランス)

ワールドラグビー年間最優秀チーム賞 アイルランド

北半球の国が受賞するのは2003年にイングランドが受賞して以来となります。アイルランドは、2018年に行われた12回のテストマッチのうち11回を勝利で飾りました。彼らはオーストラリアに一度負けたのみです。今年アイルランドはシックスネイションズで優勝し、39年ぶりのオーストラリアでのシリーズ優勝、そしてアイルランドの土地で初めてニュージーランドに勝利を収めました。また、ワールドラグビーランキングでは2位に浮上しています。

候補者: ニュージーランド、南アフリカ

ワールドラグビー年間最優秀コーチ賞 – ジョー・シュミット(アイルランド)

策士でありコニュニーケーション力に長けたジョー・シュミットは、アイルランドのラグビー史上もっとも成功した時期を監督してきました。グランドスラムを勝ち取り、1979年以来のオーストラリアでのシリーズ優勝、そして、アイルランドの土地で対ニュージーランド戦で初勝利を率いたことで、彼は、2009年にデクラン・キドニーが年間最優秀コーチ賞を受賞して以来の2度目のアイルランド人監督となりました。

候補者: ラシー・エラスムス(南アフリカ)、スティーブ・ハンセン(ニュージーランド)

チューダー協賛のワールドラグビー最優秀新人賞 – アフィウェ・デャンティ(南アフリカ)

ウィンガーであるアフィウェ・デャンティは6月のイングランド戦でスプリングボックデビューを果たしました。2018年に行われた南アフリカのテストマッチ13回全てをスターティングメンバーとして出場し、6トライを決めました。アルゼンチンとの対戦、そしてウェリントンで世界チャンピオンのニュージーランドに勝利した試合も含みます。速さとパワーに恵まれたこの24歳の選手は、ザ・ラグビーチャンピオンシップで5トライを決めジョイント・トップ・トライ・スコアラーとなり、最終的に南アフリカは2位で終えました。

候補者: ジョーダン・ラーマー(アイルランド)、カール・トゥイヌクアフェ(ニュージーランド)

HSBC 協賛ワールドラグビー最優秀男子セブンズ選手賞 – ペリー・ベイカー(アメリカ)

32歳で候補者最年長であり2017年にもこの名誉ある賞を受賞したペリー・ベイカーは、3月にラスベガスで8トライをきめ(ノックアウトステージで6トライ)最高の輝きを放っていました。また初めてアメリカが自国で優勝りました。観客から愛されている彼は、2018年のシリーズの7つのイベントで37トライを記録しました。サンフランシスコでアメリカがRWCセブンズ6位になることを助けに戻る前に、けがのためにヨーロッパでのフィナーレを見逃すこととなりました。

候補者: ベン・オドネル(オーストラリア)、ジェリー・トゥワイ(フィジー)

HSBC 協賛ワールドラグビー最優秀女子セブンズ選手賞 – ミカエラ・ブライド(ニュージーランド)

候補者の中で最年少である22歳のミカエラ・ブライドは、同賞を2年連続受賞した史上初の選手となりました。今年もブラック・ファーンズ・セブンズで素晴らしい一年を作り上げ、シリーズ、RWCセブンズ両方のHSBCドリームチームに選出されました。2018年、2回目となるシリーズのDHLインパクトプレーヤーとなったブライドは、チームメイトのポーシャ・ウッドマンに次ぐ5ラウンドで37トライを記録しました。北九州、ラングフォード、パリのラウンドを終えた時点でニュージーランドは2位でしたが、スピードと速い足に恵まれたブライドが、さらにそこから9トライをあげ、ニュージーランドのサンフランシスコでのRWCセブンズのタイトル獲得に貢献しました。フランスとの決勝ではハットトリックをも見せました。またこのシーズンでは、彼女はコモンウェルス・ゲームズで歴史的な金メダルを獲得しました。

候補者: サラ・ゴス(ニュージーランド)、ポーシャ・ウッドマン(ニュージーランド)

ワールドラグビー最優秀レフリー賞 – アンガス・ガードナー(オーストラリア)

34歳の彼は、ここ2年間甚だしい成長を見せてきました。彼が審判する試合はレベルが高く、今では国際試合を率いる主審の一人となりました。フィールドの内外に関わらずコミュニーケーションに長けているガードナーは、これまで19回テストマッチを審判してきました。2011年に初めてテストマッチを審判し、今年初めに行われたスーパーラグビーでは決勝を初担当しました。

ランドローバー協賛キャラクター賞 – ドディー・ウィアー(スコットランド)

1990年から2000年にかけ、愛するスコットランドのために61ものテストマッチ を戦ってきたベテランのドディー・ウィアーは、運動ニューロン疾患と診断されて以来の2年間、多大なる勇気とキャラクターを見せてくれました。まだ治療法が見つかっていない病を抱える48歳の彼は、自ら立ち上げた「My Name'5 Doddie Foundation」を通じて、人々にこの病気を知ってもらい、研究のための費用を集めようと使命に燃えています。彼は現在最大の課題に直面しています。しかし現役時代に彼がプレーを通して見せてくれた気概が、今も彼の周りの人たちにインスピレーションを与えています。

功労賞森喜朗(日本)

日本の元首相であり日本ラグビーフットボール協会の元会長は、ラグビーワールドカップ2019の開催権を獲得するために、アジアで、そして具体的には日本でのゲームの成長に情熱を持って携わってきました。彼はスポーツと社会において貢献し、2017年には天皇陛下から桐花大綬章が授与されました。

スピリット・オブ・ラグビー賞 –  ジェイミー・アームストロング、ザ・クラン(スコットランド)

トラストラグビーインターナショナルは、スコットランドで統一ラグビーを開拓しています。ディベロップメント・ディレクターのジェームズ・アームストロングは自らのリーダーシップを通して、恵まれない環境にいる青少年、また障がいの有無に関わらず様々な青少年たちを「ザ・クラン」と呼ばれるチームに呼び込み、皆を率いています。

IRPトライ・オブ・ザ・イヤー  – ブロディー・レタリック(ニュージーランド対オーストラリア戦)

このトライは、オールブラックスのセカンドローで始まり、終わりました。レタリックはシドニーで行われたラグビーチャンピオンシップの最初の試合でオーストラリアのスクラムハーフであるウィル・ゲニアをすばやくかわし、ダミアン・マッケンジーにボールを繋ぎ、反撃を開始しました。レタリックはバーナード・フォーリーにボールを回すと見せかけ、30m近くを走り抜きました。

候補者: ボーデン・バリット(ニュージーランド対オーストラリア戦)、ショーン・メイトランド(スコットランド対イングランド戦)、CJ スタンダー(アイルランド対イングランド戦)

IRP 特別賞 – スティーブン・ムーア(オーストラリア) 、DJ フォーブス(ニュージーランド)

スティーブン・ムーアは2005年から17年までにオーストラリア代表として129のテストマッチに出場し、うち26試合をキャプテンとして出場しました。またスーパーラグビーのブランビーズでも活躍しました。フィールドから離れて、ムーアは2012年からブランビーズの選手ディレクターとして5年間を過ごし、2016年末にクイーンズランドレッズに移籍し、オーストラリア代表を引退する前にはラグビーユニオン選手協会の共同議長を1年間務めました。35歳の彼は、シドニー・インビクタス・ゲームのエグゼクティブ・アンバサダーを務め、ライフライン・キャンベラやロナルド・マクドナルド・ハウスなどの組織にも加わりました。

DJ フォーブスは11年間にわたってHSBCワールドラグビーセブンズシリーズのニュージーランド代表を務め、89大会、512試合出場という記録を残し、153トライを決め26回の大会優勝、6つのシリーズタイトル、そしてコモンウェルス・ゲームズとRWCセブンズで金メダルを獲得しました。35歳の元オールブラックスセブンズのキャプテンである彼は、フィールド上だけのリーダではなく、彼のキャリアを通して選手たちの声を届けてきました。また、女性セブンズの発展のために貢献し、選手の福利厚生の改善、健康向上やオリンピック参入についても手助けをしてきました。選手の成長を見たいと願うフォーブスは、ニュージーランドのラグビー選手協会や国際選手と一緒に様々なプログラムに取り組んできました。

ワールドラグビーアワード受賞者の全リスト

マスターカード協賛ワールドラグビー男子年間最優秀選手賞 – ジョニー・セクストン (アイルランド) 
マスターカード協賛ワールドラグビー女子年間最優秀選手賞 – ジェシー・トレムリエ(フランス)
ワールドラグビー年間最優秀チーム賞 – アイルランド
ワールドラグビー年間最優秀コーチ賞 – ジョー・シュミット(アイルランド)
チューダー協賛のワールドラグビー最優秀新人賞 – アフィウェ・デャンティ(南アフリカ)
HSBC 協賛ワールドラグビー最優秀男子セブンズ選手賞 – ペリー・ベイカー (アメリカ)
HSBC 協賛ワールドラグビー最優秀女子セブンズ選手賞 – ミカエラ・ブライド (ニュージーランド)
ワールドラグビー最優秀レフリー賞 – アンガス・ガードナー(オーストラリア)
功労賞 – 森喜朗(日本)
ランドローバー協賛キャラクター賞 – ドディー・ウィアー (スコットランド)
Dove Men+Care協賛スピリット・オブ・ラグビー 賞 – ジェイミー・アームストロング、 ザ・クラン(スコットランド)
IRP 特別賞 – スティーブン・ムーア (オーストラリア) 、 DJ フォーブス (ニュージーランド)
IRPトライ・オブ・ザ・イヤー  – ブロディー・レタリック (ニュージーランド対オーストラリア戦)

 

ワールドラグビーアワードに関しての詳細はこちらよりご覧ください。www.world.rugby/awards.