8月10日(水)、リオ2016男子セブンズ大会は、2日目の試合日を迎えた。92年ぶりにスポーツ最大の舞台に復帰したラグビーセブンズは、見所満載の2日目は、番狂わせの可能性をほのめかす試合で会場の観衆を大興奮させた。

準々決勝を勝利で飾ったフィジー代表、日本代表、イギリス代表、そして南アフリカ代表はベスト4入りを果たし、日本時間明日の朝、早朝に行われる準決勝戦でオリンピックメダルの争いを続ける。

悪天候のなか行われた2日目の午後の試合では、HSBCワールドラグビーセブンズシリーズの王者であるフィジー代表が、フィジー初のオリンピックメダルを目指して、ニュージーランド代表との準々決勝戦に臨んだ。12-7 というスコアで競り勝ったフィジーは、フランスを倒した日本と準決勝で対決する。

それぞれアルゼンチンとオーストラリアを下したイギリスと南アフリカも準決勝で決勝進出を争う。

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準決勝は現地時間8月11日(木)14時30分に、デオドロ・スタジアムでキックオフする。5〜9位の順位決定戦・準決勝戦の組み合わせは以下のとおり。

  • 11位決定戦:ブラジル 対 ケニア 
  • 9位決定戦:アメリカ 対 スペイン
  • 7位決定戦:ニュージーランド 対 フランス
  • 5位決定戦:アルゼンチン 対 オーストラリア
  • 準決勝戦:フィジー 対 日本 
  • 準決勝戦:イギリス 対 南アフリカ

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準々決勝戦

  • フィジー代表 対 ニュージーランド代表

悪天候の中でも、フィジーのパス回しは止まらなかった。フィジーをリードに引っ張ったのはオセア・コリニサウキャプテンの先制トライだった。ニュージーランドのギリーズ・カカが見事なチップアンドチェイスからトライを生み出し、7-5と逆転したニュージーランドのリードでハーフタイムとなった。攻め続けたフィジーのジェリー・ツワイが相手のディフェンスを崩し、トライを獲得。12-7のリードをノーサイドまで堅持したフィジーが勝者となった。 

  • 日本代表 対 フランス代表

1日目の初戦にも負けない大激戦となった準々決勝の2戦目では、日本代表がまさかの逆転勝利でフランスを下した。先制をフランスに許した日本は、ハーフタイムでも5-0で、遅れを取っていたのは日本だった。後半開始からまもなく、トゥキリ ロテがトライを決め、日本に希望を吹き込んだ活力を吹き込んだ。 その後、坂井 克行がゴールラインを超えるも、フォワードパスという判断で取り消しに。コンバージョンをミスした日本は、5-7で苦汁を飲まされるようにも見えた。しかし、試合終了間際に後藤 輝也がゴールポスト下でトライを獲得、コンバージョンも決まり、日本間一髪で逆転に成功し、ベスト4入りを果たした。 

坂井 克行選手は「慌てなかったところと、マイボールをしっかりキープしようというハーフタイムの修正、全員が同じ絵を描いていたところ」がうまく行った部分だったと話した。

レメキ ロマノ ラヴァ選手はフランス戦について「ただ粘り続けた。前半終盤で相手の疲れが見え始めたので、ひたすらボール回しを意識すれば良いとわかっていた... いくつかミスも出たが、最後は最も重要なところでトライを決めることができた」と振り返り、「正直、こっち(リオデジャネイロ)では、何試合かに出場して、ベストを尽くし、ラッキーであるば準々決勝に進出するのではないかと考えていた」と認めた。「(日本では、)サッカーよりも、ラグビーが人気を集め始めていると思う」とコメントしたレメキ ロマノは、準決勝のフィジー戦について「今のプレーが持続できれば、勝つチャンスは十分にあると思う。相手に比べて小柄なチームだけど、ハードワークを続けることが大切」「どっちにしても、こっちにはプレッシャーがない。プレッシャーはビッグチームが背負っている。メダル獲得の期待を一番に背負っているのは、わたしたちではなく、彼らなのだ」と語った。

  • アルゼンチン代表 対 イギリス代表

日本代表の檄的勝利に続いて、フィールドに登場したアルゼンチン代表とイギリス代表は、フルタイムまで無得点という予期せぬ展開に観衆を熱狂させた。0-0と、同点で迎えたフルタイムからの延長戦は、HSBCワールドラグビーセブンズシリーズでも前代未聞のシナリオである。 

延長戦中、アルゼンチン代表のガストン・レボルキャプテンにペナルティーキックで勝利を収めるチャンスが訪れるも、キックはミスに終わり、勝利のチャンスも共に散り去った。サドンデスの延長戦では、イギリス代表に同じチャンスが訪れるが、トム・ミッチェルのスパイクから放たれたボールは、惜しくもゴールポストでノーゴール。跳ね返ったボールを、アルゼンチンがノックオンし、スクラムからイギリスのダン・ビビーがフィールドを広く使い、ゴールラインを破り、チームGBを勝利に導いた。

  • 南アフリカ代表 対 オーストラリア代表

最後の準々決勝戦では、午前のプールB最終戦で対戦した、南アフリカとオーストラリアのバトルとなった。午前の試合では、12-7とオーストラリアに敗れたブリッツボックスが22-5でリベンジの勝利を飾った。 南アフリカのシアベロ・セナトラ、ロスコ・スペックマン、カイル・ブラウンキャプテンがそれぞれトライを決め、オーストラリアのトム・キューサックのトライを容赦なく圧倒した。

9位決定準決勝戦

  • アメリカ代表 対 ブラジル代表

得失点差1点の僅差で準々決勝進出を逃した、アメリカセブンズイーグルズは、エースのカーリン・アイルズのハットトリックで24-12と、開催国のブラジルを下し、午前の鬱憤を晴らした。序盤は、ブラジル代表ダニエル・サンセリがオープニングトライを獲得したが、アイルズのハットトリックとダニー・バレットのトライで勝利を奪ったアメリカは、大会3日目の9位決定戦に進む。

  • スペイン代表 対 ケニア代表

敗者復活トーナメントでオリンピックの最終枠を獲得したスペイン代表はマルコス・ポッジの活躍で、対ケニアの9 位決定準決勝戦を、14-12というスコアで番狂わせの勝利で飾った。 メダル獲得を目指して本大会に臨んだケニアは、アンドリュー・アモンデキャプテンと、ビリー・オディアンボのトライで逆転を心掛けたが、最後は及ばず負けを喫した。

〜2日目第1節のマッチレビュー〜

プール A

最終戦は南米ライバルの熱戦となったブラジル代表対アルゼチン代表戦、長年のライバル心に火がつき、会場は情熱的な観衆の熱いエールに巻き込まれた。アクセル・ミュラー、ガストン・レボルキャプテン、サンティアゴ・アルバレズ、ヘルマン・シュルツ、そしてニコラス・ブルッツォーネが次々とトライを決め、最後は31-0で圧勝したアルゼンチンが、プールAを2位で通過した。

アメリカ代表は、黒星さえ避けることができれば、準々決勝進出という条件でのプレーだった。
華麗なステップワークでフィジーのディフェンスを切り裂いたダニー・バレットがアメリカの先制点を奪い、試合序盤は好スタートを切ったアメリカだった。しかし、オセア・コリニサウとバテモ・ラボウボウがトライを決め逆転、12-7とフィジーのリードで前半が終了。

NFLのスター選手、ネイト・エブナーの独走トライで点差は5点に縮まったが、逆転には及ばず、敗化を喫したアメリカは9〜12位決定準決勝に進出。

プール B

先制トライを獲得したフランスは、始終支配力を発揮し7-0と、オープニングトライのリードでハーフタイムを迎えた。後半はビリミ・バカタワとダミアン・クレルが連続でゴールラインを破り、スペインを突き放した。その後も積極的に攻撃を続けたフランスは、後半中盤にジェレミー・アイカルディのトライで点差をさらに広げた。しかし、オフロードパスからボールをつないだ、セサル・センペレが意地のトライを決めるも、26-5でフランスが勝利を収めた。

ジェシー・パラヒとトム・キューサックの活躍でオーストラリアは南アフリカに初黒星を供した。シアベロ・セナトラも反撃トライを決めるも、ブレイクダウンで攻撃を崩された南アフリカは逆転に及ばず12-5と、オーストラリアが白星を奪った。

プール C

初日はオールブラックスセブンズを下した日本、2日目のジャパンセブンズは勢いを落としていなかった。羽野一志のトライで日本が先制するも、天候の変化のせいか、なかなかリズムがつかめず、両チームともミスが多発。2本目のトライは、ケニアのコリンズ・インジェラが獲得し、日本は同点に追いつかれた。前半終了間際にレメキ ロマノ ラヴァがトライを決め、日本がリードして前半を折り返した。続いて、合谷 和弘がボールを奪取、そのままゴールラインを破り日本は点差を広げた。後半残り3分で、モールからのペナルティートライを決めた日本は、26-7とリードをさらに広げ、最後はレメキ ロマノ ラヴァが試合2本目のトライでとどめをさした。31-7というスコアでケニアに快勝した日本の準々決勝戦進出が決定。

先制トライを獲得した羽野 一志は「僕たちの目指すところはメダル獲得なので、それに向かって次の一戦、しっかりチーム一丸となってやっていきたいと思います」とコメント、さらに「ニュージーランドに勝ってから勢いが止まりません。このまま行きます」と意気込みを語った。

前半でリードを奪い、対ニュージーランド戦で流れをつかんだのはイギリス代表だった。波に乗ったチームGBは21-0のリードを堅持してハーフタイムを迎えた。後半はニュージーランドの反撃を受け、危い場面も見られたが、ノーサイドまでなんとか耐えきったイギリスは、見事21-19で勝利を収め、準々決勝進出を果たした。

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