準々決勝戦が終了し、8月8日(月)にデオドロ・スタジアムで開催される準決勝へ進む上位4シード(オーストラリア代表、ニュージーランド代表、カナダ代表、イギリス代表)がオリンピックメダルを目指して争う。

HSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズでチャンピオンとなったオーストラリア代表は、準々決勝でスペインを下し(24-0)、準決勝進出を果たした。カナダも試合終了間際にトライを2本重ねてフランスを下し、準決勝へ進むことが決定した。フィジーを26-7で破ったイギリスは、ニュージーランドと準決勝で対決する。


準決勝戦は8月7日(日)現地時間14時30分に、デオドロ・スタジアムでキックオフする。

順位決定戦ではコロンビアとケニアが11位を争い、ブラジルと日本が9位の座をかけた試合で対決する。準決勝戦では、オーストラリアとカナダが激突し、イギリスは第2シードのニュージーランドと戦う。

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準々決勝戦

  • オーストラリア代表 vs スペイン代表

エマ・トネガトの先制トライでリードを奪ったのはトップシードのオーストラリア代表だった。シャーロット・キャスリックも直後にトライを奪い、12−0とスペインを突き放す。スペインの懸命な反撃に耐えたオーストラリアは12-0のままハーフタイムを迎えた。チャンスをトライに繋げられず苦しむスペインは、オーストラリアのエース、シャーロット・キャスリックに得点を許す。さらにその後、エリア・グリーンが爆発的なスピードでスペインのディフェンスを置き去りにし、試合終了のホイッスルと同時にタッチダウン。初日とは違って、ミスが少し目立ったオーストラリア代表だったが、準決勝へ進むことに成功した。

  • カナダ代表 vs フランス代表

ジェイド・ルペスクがオープニングトライを決めた、フランス対カナダの準々決勝戦では、レ・ブルーが好スタートを切った。フランスのエラーから生まれたチャンスをカナダのケイラ・モレスキがトライに繋げ、スコアは5-5-と同点に、失点直後のリスタートで、フランスにチャンスが訪れるも、ノックオンで前半が終了。ハーフタイム明けにはフランスがディシプリンの欠如で連続ペナルティを犯し、ビアンカ・ファレラとジスレーヌ・ランドリーが最後の2分でツートライを獲得し、カナダの勝利が決まった。

  • フィジー代表 vs イギリス代表

フィジー代表初のオリンピックメダル獲得を目指して大会に臨んだフィジアナは、イギリス代表を相手に準々決勝戦に臨んだが、試合開始早々にチームGBのエミリースカラットがトライを決め、リードを奪った。反撃を仕掛けたフィジアナは見事なオフロードから、リティア・ナインガトがタッチダウンし、フィジアンマジックで観衆を魅了した。イギリスはその後、アリス・リチャードソン、ジョアン・ワトモア、そしてアビー・ブラウンがトライを決め、26-7で迎えたノーサイドのホイッスルと共にフィジーのメダル獲得の夢は散り去った。

  • ニュージーランド代表 vs アメリカ代表

準々決勝、最終戦では、ニュージーランドがキックオフ直後からカイラ・マカリスターを中心とした攻撃的なラグビーを繰り広げた。しかし、一時はペナルティーやノックオンからアメリカにもチャンスを与える場面が続出するが、ニュージーランド代表はポーシア・ウッドマンのトライでリードを堅持する。後半はタイラ・ネイソンウォンがシンビンをもらい、黒いジャージーが一つ減った状態で、アメリカにチャンスが訪れる。しかし、アメリカは試合終了までチャンスを得点に繋げられず、ニュージーランドが勝利を奪った。ニュージーランド代表は準決勝でチームGBと対決する。

リオ2016のトップトライスコーラーには、ポーシア・ウッドマン(ニュージーランド)、エマ・トネガト(オーストラリア)と、シャーロット・キャスリック(オーストラリア)が並ぶ。

9位決定準決勝戦

準々決勝進出には及ばなかったものの、サクラセブンズとブラジルのオリンピックでの戦いはまだ終わっていない。9位の座を争う両国のうち、勝利したチームは2016-17 HSBCワールドラグビー女子セブンズシリーズのコアチームに昇格する。

  • ブラジル代表 vs コロンビア代表

開催国のブラジルは、南米のライバルであるコロンビアを圧倒的勝利(24-0)で下し、大会2日目を2勝で飾った。先制トライはブラジルのマリアナ・ロマロが奪い、さらにクラジアジャケリー二・テレスがハーフタイム前に2トライを決め、ブラジルが17-0で前半を折り返した。ハーフタイム明けには、リオデジャネイロ出身のベアトリス・ムルバウエがトライを決め、そのままブラジルが白星を飾った。

  • 日本代表 vs ケニヤ代表

朝のプール戦では、開催国ブラジルに敗れた日本は、強気で決勝トーナメントに挑んだ。前半では、午前の試合でもトライを決め大活躍した山口真理恵が、インターセプトでケニヤのボールを奪取し、快速な走りでゴールラインを超えた。その後もサクラセブンズはチーム一丸となって好プレーを発揮し、相手チームのエラーを誘い続けた。山口真理恵は前半2本目のトライで点差を12点に広げた。ハーフタイム明けには、日本の注目選手、桑井亜乃がタッチダウンし、試合終了間際に兼松由香がさらにトライを決め、日本は24-0でケニアに快勝、大会初の歴史的勝利で2日目を締めくくった。明日の順位蹴って戦では、プール戦でも対戦したブラジルと9位を争う。

【午前のマッチレポート】

8月7日(日)に行われた予選プールの最終節、プール戦全試合が終了し、決勝トーナメントに進出する8チームが決まった。 

2日目の午前の試合が終了した時点では、全勝の成績を堅持したニュージーランドとイギリスの両チームのみが無敗で準々決勝に臨むことになっていた。

現地時間17時00分キックオフの準々決勝の組み合わせは以下のとおり。

  • 第1試合 準々決勝 オーストラリア 対 スペイン
  • 第2試合 準々決勝 カナダ 対 フランス
  • 第3試合 準々決勝 チームGB 対 フィジー
  • 第4試合 準々決勝 ニュージーランド 対 アメリカ

一方、9位〜12位決定の決勝トーナメントでは、ブラジルがコロンビアと対戦し、日本はケニヤと戦った。

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プールA

36-0でコロンビアを下したフィジーは、午後の準々決勝進出を決めた。序盤ではライジエリ・タベウアが立て続けに2トライを奪い、スコアを14-0と突き放した。ハーフタイム明けにも、フィジー自慢の途切れないオフロードから、ビニアナ・ナイサルワキがゴールラインを超えた。最後まで相手の攻撃を抑えたフィジアナは、コロンビアのプレッシャーに耐え、確実な勝利を収めた。

オーストラリア代表は、ニュージーランド代表と同様に、1日目の気迫を欠いた様子でフィールドに出場した。一方、アメリカ代表はジェシカ・ジャベレットを中心に攻撃を仕組み、トップシードサイドのエラーを誘った。エマ・トネガトのトライで同点に追いついたオーストラリアはその後も、シャーロット・キャスリックがビクトリア・フォラヤンのブレークアウェートライを封鎖し、素晴らしいタックルでアメリカの攻撃に耐えた。同点に終わった試合は、プールAの順位でアメリカを3位と、フィジーワンランク下回る。

プールB

初日と同じ勢いで2日目に臨んだニュージーランド代表は、ケリー・ブレージャー、フリアナ・ブレージャー、ポーシア・ウッドマンのトリオがトライを獲得し、黒のジャージーが試合の流れをつかんだ。だが、ハーフタイム間際に反撃に出たカミーユグラシノーが見事ゴールラインを割り、フランスに希望の余地を残した。勢いをつけて後半に挑んだフランスは、ニュージーランドに上手くプレッシャーをかけ、繰り返し相手のエラーを誘うが、ケイラ・マカリスターの好プレーでニュージーランドは勝利とともに、プールBのトップの座を奪った。

ベスト8入りを果たすには負けの余地がなかったスペインは、バルバラ・プラのナイスプレーでリードを奪い、勝利へ向けて突進した。ケニヤは前半終了間際にドリーン・レムールのトライで同点に並ぶが、マリナ・ブラボがさらに2トライを重ね、そのまま19-10というスコアでスペインが勝利を収めた。

プールC

大会1日目は全勝でフィールドを支配していたカナダ代表だが、2日目の1戦目に臨んだ赤いジャージーの選手たちは、どこか気迫に欠如していた。チームGBのプレッシャーに崩れたカナダはエラーが続き、アリス・リチャードソン、エイミー・ウィルソンハーディー、そしてダブルトライを決めたエミリー・スカラットキャプテンの攻撃を止めることができず、イギリス代表に番狂わせの勝利を許した。22-0とノーサイドのホイッスルが響き渡たるとともに、イギリスがプールCのトップに浮上した。

初日はトライを一本も獲得しなかったホームチームのブラジル代表は、2日目の第1戦で、日本を相手に初トライを挙げた。1本目のトライを獲得したパウラ・イシバシに続いて、リオデジャネイロ出身のベアトリズ・フゥトゥーロ・ムルバウエとアマンダ・アラウジョがゴールラインを超え、26-10で勝利を収めた。決勝トーナメント進出には及ばなかった開催国のブラジル代表は、9〜12位決定戦に臨む。

一方、日本代表の中村知春キャプテンは試合後のインタビューで、ブラジル代表にシンビンで退場者が出た後、サクラセブンズは2トライを奪えたものの、「ホーム声援が相手を波に乗らせた」と連続失点の原因を語った。これから行われる試合では「チームスタッフ、ファン、五輪メンバーから外れた選手のため勝利を収める」と意気込だ。