4ラウンドにわたる激戦を経て、今週土曜日にはすべての注目が花園ラグビー場に集まります。開催国の日本が、アサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2024の決勝でフィジーと対戦します。
両チームはこれまでの大会で3試合全勝の好調を維持し、準決勝では圧倒的な勝利を収め、決勝の舞台に進出しました。
フィジーはこの大会史上、最も成功を収めたチームで、過去に5回のタイトルを獲得しており、2024年大会ではトライ数とディフェンス力においてトップを誇ります。
一方、ファイナルシリーズのホスト国である日本も自信を持って決戦の地、大阪に向かいます。先週の日曜日に行われた準決勝ではサモアに圧勝し、地元の声援を背に決勝に臨みます。
決勝戦が始まる前には、花園ラグビー場で3位決定戦が行われ、アメリカとサモアが互いに今大会の良い締めくくりを目指して戦います。
9月14日(土)
準決勝 : フィジー 対 アメリカ、秩父宮ラグビー場/東京 - キックオフ 日本時間 19:05
対戦成績
パシフィックネーションズカップの決勝戦が、両チームにとって20回目のテストマッチとなり、これまでに対戦した19試合でフィジーが15勝、日本が4勝しています。
フィジーは、昨年8月に秩父宮ラグビー場で行われた試合で35-12と勝利し、直近6試合のうち5試合で勝利を収めています。
その一戦では、Waisea Nayacalevu、Eroni Mawi、Simione Kuruvoli、Frank Lomani(2トライ)がトライを決め、ホストチームの日本はフランカーのピーター・ラブスカフニが退場処分を受けたものの、試合終盤に2トライを返しました。
視聴方法
日本での放送契約がない場合は、RugbyPass TVのライブ無料配信から観戦ができます。フィジーや太平洋諸島のファンはDigicelを通じて視聴が可能で、日本ではJ Sportsが試合を放送します。
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PNC戦績
フィジーはパシフィックネーションズカップの歴史の中で最も成功を収めたチームで、これまでに5回のタイトルを獲得しています。最後の優勝は2018年に遡ります。
一方、日本はこれまでに3回大会で優勝を果たしており(直近は2019年)、この記録はフィジー、そしてサモアに次ぐ成績となります。
現在のフィジー代表: Canakaivataが輝き続ける
フィジーは2024年パシフィックネーションズカップのセミファイナルでアメリカを22-3で破った後も、後半に一度も失点していません。
アメリカは序盤、Chris Mattinaのペナルティゴールで先制しましたが、フィジーはCaleb Muntzの3点とElia Canakaivataのトライにより、前半を10-3でリードして試合を支配しました。
後半にはCanakaivataが今大会4トライ目を決め、Frank Lomaniが3試合で2回目のトライを挙げ、決勝進出を決定づけました。
今大会の最多トライゲッターのCanakaivataを擁するフィジーは、この勢いを決勝戦に持ち込みたいと考えており、土曜日に優勝を果たす可能性が十分にあるといえるでしょう。
現在の日本代表: 洗練されたブレイブ・ブロッサムズ
6月と7月のテストマッチシリーズでは期待外れの結果となりましたが、その後にエディー・ジョーンズの指揮下でブレイブ・ブロッサムズはここ1カ月で調子を上げてきました。
日本は大会中、自チームのスローインで35回中35回のラインアウトを成功させており、準決勝のサモア戦ではスクラムも強化も見られ、12回のスクラムすべてでボールを獲得しました。
ブレイブ・ブロッサムズは東京で行われたサモア戦で、11回の攻撃で7トライ(ペナルティトライ1回を含む)を記録し、洗練されたプレーを披露しました。
準決勝でフルバックに配置された李承信は、今大会の得点を53点に伸ばし、フィジーのCaleb Muntzに19点差をつけました。
両チームが攻撃的なラグビーを追求していることから、土曜日の決勝は見逃せない一戦となるでしょう。
注目すべきランキングについて
今週末の日本とフィジーによる一戦は、パシフィックネーションズカップのトロフィーだけではなく、ワールドラグビーのランキングポイントをかけての戦いとなります。
フィジーは、花園ラグビー場で日本に勝利し、オーストラリアがシドニーでニュージーランドに敗れた場合、月曜日の最新ランキングで9位に浮上する可能性があります。
どちらかの試合結果が15点差以上であれば、フィジーはオーストラリアに代わって9位に浮上します。
一方で日本は、4度目のパシフィックネーションズカップのタイトルを獲得した場合、勝利点差に関係なく、ジョージアを抜いて12位に浮上します。
しかし、日本がフィジーに敗れ、サモアがアメリカとの3位決定戦に勝利すると、日本は14位に後退する可能性もあります。この場合も、どちらかの試合が15点差以上でなければなりません。
フィジー代表チームニュース
フィジーのヘッドコーチであるMick Byrneは、アメリカに勝利したメンバーに1つだけ変更を加え、Ilaisa Droaseseが準決勝のハーフタイムで交代したEpeli Momoに代わって左ウィングとして先発します。
また、Droaseseのリザーブとしてオリンピック銀メダリストのPonipate Loganismasiが入っています。
フィジー代表チーム(1-15) : 1. Eroni Mawi, 2. Tevita Ikanivere, 3. Samu Tawake, 4. Isoa Nasilasila, 5. Temo Mayanavanua, 6. Meli Derenalagi, 7. Kitione Salawa, 8. Elia Canakaivata, 9. Frank Lomani, 10. Caleb Muntz, 11. Ilaisa Droasese, 12. Inia Tabuavou, 13. Iosefo Baleiwairiki, 14. Vuate Karawalevu, 15. Isaiah Armstrong-Ravula.
リザーブ: 16. Mesulame Dolokoto, 17. Haereiti Hetet, 18. Peni Ravai, 19. Ratu Rotuisolia, 20. Albert Tuisue, 21. Peni Matawalu, 22. Apisalome Vota, 23. Ponipate Loganismasi.
日本代表チームニュース
エディ・ジョーンズは、先週末にサモアを破った先発メンバーに信頼を示しています。
試合当日のメンバーで唯一の変更は、キャップ未獲得の濱野隼大が23番としてリザーブ入りしたことです。
セカンドローのワーナー・ディアンズ、オープンサイドの下川甲嗣、センターのディラン・ライリーは、これまでの大会で全試合の全ての時間に出場しています。
日本代表チーム(1-15) : 1. 三浦 昌悟、2. 原田 衛、3. 竹内 柊平、4. エピネリ・ウルイヴァイティ、5. ワーナー・ディアンズ、6. ファカタヴァ アマト、7. 下川 甲嗣、8. ファウルア・マキシ、9. 藤原 忍、10. 立川 理道、11. マロ・ツイタマ、12. ニコラス・マクカラン、 13. ディラン・ライリー、14. 長田 智希、15. 李 承信
リザーブ: 16. 松岡 賢太、 17. 岡部 崇人、18. 為房 慶次朗、19. アイザイア・マプスア、20. ティエナン・コストリー、21. 小山 大輝、22. 梶村 祐介、23. 濱野 隼大
レフリー
元クイーンズランドレッズ、レーシング92、ワスプスの元スクラムハーフであるNic Berryは、先週末に東京で行われた5位決定戦を担当し、これが彼にとって2度目のパシフィックネーションズカップでのレフリーとなります。
彼はこれまでに日本の試合を3回担当しています(2勝1敗)。一方でフィジーは、Nic Berryがレフリーの試合ではウェールズとスコットランドに敗れており、未だに勝利を収めていません。
3位決定戦: アメリカ 対 サモア、花園ラグビー場/大阪 - キックオフ 16:00
対戦成績
サモアはアメリカとの対戦歴では5勝2敗とリードしていますが、直近の2試合はイーグルズが勝利しています。
アメリカは2019年8月3日にフィジー(スバ)のANZスタジアムで行われた試合で、13-10の勝利を収めました。
視聴方法
試合はRugbyPass TVおよびTNT Sportsでライブ放送され、サモアおよび太平洋諸島ではDigicel、アメリカではPeacockで視聴できます。
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PNC戦績
サモアはこの大会史上、2番目に成功を収めたチームであり、これまでに4度のタイトルを獲得しています。
アメリカのこれまでの最高成績は2014年の2位です。
現在のアメリカ代表: チャンスをものにできるか次第
イーグルズのヘッドコーチであるScott Lawrenceは、今週末の3位決定戦を勝ち取るためには、チームがより決定力を持つ必要があることを認識しているでしょう。
準決勝でアメリカは、フィジーの22m内に9回入ったものの、得点はChris Mattinaの前半4分目のペナルティゴールのみで、これまでの3試合のいずれでも、最終クォーターで得点していません。
しかし、アメリカのスクラムのシェイプや、ナンバーエイトThomas Tu’avaoの突破力、元レスラーであるCory Danielのタックルとジャッカル能力には期待できるでしょう。
現在のサモア代表: 80分間のパフォーマンスを目指す
サモアは先週末の準決勝で、日本に対して最初の16分間で3トライを許し、勝利の希望は早々に途絶えました。ブレイブ・ブロッサムズはさらに4トライを重ね、49-27で勝利しました。
この結果は、フィジーとのプール戦で前半16-15とリードしていながら、最終的に42-16で逆転負けした後に続くものでした。
マヌ・サモアがアメリカとの一戦で、これまで示してきた潜在能力を発揮し、大会を良い形で締めくくるためには、80分間を通したパフォーマンスを発揮しなければなりません。
注目すべきランキングについて
アメリカは、試合に勝利すると、ランキングが最大3つ上昇します。 現在、19位というランキングで試合を迎えるアメリカは、サモアに15点差以上で勝利すれば16位に上がります。
より少ない点差で勝利した場合は、スペインとウルグアイを抜いて2つ順位を上げ、17位に上がることが可能です。
逆にサモアが15点差以上で敗れると、彼らは1つ順位を落とし、ポルトガルの下の15位に下がります。サモアが勝利し、日本が決勝で敗れ、どちらかの試合で15点差以上がついた場合、サモアは1つ順位を上げて13位に上がります。
アメリカ代表チームニュース
ヘッドコーチのScott Lawrenceは、サモアとの3位決定戦に向けて先発メンバーを9人変更しました。
プロップのJake TurnbullとAlex MaughanがフッカーのKapeli Pifeletiとともに、新しいフロントローを形成し、キャプテンのGreg Petersonがセカンドローに復帰。また、ナンバーエイトにはJamason Fa’anana-Schultzも復帰します。
バックスでは、スクラムハーフのJP SmithがフライハーフのLuke Cartyとコンビを組み、Mitch Wilsonが負傷したNate Augspurgerに代わって出場し、インサイドセンターにはTommaso Boniが選ばれました。
アメリカ代表チーム(1-15) :
1. Jake Turnbull, 2. Kapeli Pifeleti, 3. Alex Maughan, 4. Jason Damm, 5. Greg Peterson (キャプテン), 6. Paddy Ryan, 7. Cory Daniel, 8. Jamason Fa’anana-Schultz, 9. JP Smith, 10. Luke Carty, 11. Mitch Wilson, 12. Tommaso Boni, 13. Dominic Besag, 14. Conner Mooneyham, 15. Toby Fricker.
リザーブ: 16. Sean McNulty, 17. Payton Telea, 18. Pono Davis, 19. Viliami Helu, 20. Tesimoni Tonga’uiha, 21. Thomas Tu’avao, 22. Ethan McVeigh, 23. Rand Santos.
サモア代表チームニュース
セカンドローのMichael CurryがSam Sladeに代わり、アメリカ戦に向けてのサモアの先発メンバーで唯一の変更となります。
Sladeはリザーブに回り、Jonah Mau’uはメンバー入りとなり、これがマッチデーの23人のもう一つの変更点となります。Murphy Taramaiがメンバー外となりました。
サモア代表チーム(1-15) :
1. Aki Seiuli, 2. Sama Malolo, 3. Marco Fepulea’i, 4. Ben Nee-Nee, 5. Michael Curry, 6. Theo McFarland (キャプテン), 7. Izaiha Moore-Aiono, 8. Iakopo Petelo-Mapu, 9. Melani Matavao, 10. Rodney Iona, 11. Elisapeta Alofipo, 12. Alapati Leiua, 13. Lalomilo Lalomilo, 14. Tuna Tuitama, 15. Tomasi Alosio.
リザーブ: Luteru Tolai, 17. Andrew Tuala, 18. Brook Toomalatai, 19. Sam Slade, 20. Jonah Mau’u, 21. Danny Tusitala, 22. Afa Moleli, 23. Melani Nanai.
レフリー
Ben O’Keeffeは、パシフィックネーションズカップでは初、また通算46度目のテストマッチでレフリーを務めます。
Ben O’Keeffeは、これまでにアメリカがフランスとアイルランドに敗れた2試合のレフリーを担当しています。サモアはニュージーランド人のO’Keeffeがレフリーを務めた試合では、2016年にはジョージアと引き分け、2021年にはトンガ、今年7月にはスペインに勝利しており、過去3試合で無敗を誇っています。