日本代表、PNC決勝進出をかけてサモア戦へ、立川主将が9年ぶり10番先発

日本代表が9年ぶりに10番で先発を務める立川理道キャプテンの下、9月15日のアサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ(PNC)2024準決勝でサモア代表戦に臨み、決勝進出を目指す。

「久々の先発で気持ちも高まっているが、そこもしっかりコントロールしてチームにいい影響を与えたい。チームのやるべきことをやっていきたい」

 立川キャプテンは13日の会見で緊張の面持ちながら力強く言った。

このチーム最多の58キャップを有する34歳の先発は2018年6月のジョージア戦以来で、10番での先発は2015年9月のラグビーワールドカップのスコットランドとのプール戦以来、実に9年ぶりだ。

 立川は、現在2027年大会へのチーム作りを進めるエディー・ジョーンズヘッドコーチから若手へのロールモデル役を期待されて選出。2015年ワールドカップでも指揮を執ったジョーンズ指揮官は、立川の経験だけでなく、フィットネスやスキル、落ち着きのあるリーダーシップを高く評価。立川は、7日のアメリカ戦では途中出場で優れたパフォーマンスを発揮してトライをお膳立てするなど、日本の41-24勝利に貢献。チームは2連勝でプールBを首位で突破した。

ハーフでコンビを組むSH藤原忍は今大会3戦連続での先発で、立川とは所属クラブの同僚でもある。

立川は「彼の良さのスピードとテンポの良さはしっかり引き出してあげて、チームを勢いに乗せていきたい」と話す。

サモア戦の先発メンバーは、立川のほか、ケガ人が絡んだこともあって5人を変更。前節リザーブスタートだったHO原田衛、PR竹内柊平、FLファカタヴァアマト、WTB長田智希がスタートに入り、LOエピネリ・ウルイヴァイティは4番で代表デビューとなる。また、前節10番で先発して後半途中からFBにシフトした李承信は15番で先発する。

リザーブにはPR松岡賢太が入り、初キャップ獲得のチャンスを得た。8月末に追加招集となったCTB梶村祐介もリザーブスタートで今大会初出場の機会を待つ。

サモアはプールA初戦をフィジーに16-42で落としたものの、第2戦でトンガを43-17で下して1勝1敗の2位で準決勝へ進出した。

日本戦の先発には前節から4つのポジションで変更。11番に代表デビューのWTBエリザペタ・アロフィポを起用し、10番はトンガ戦でリザーブ出場だったロドニー・アイオナを起用。モアナ・パシフィカでプレーするCTBラロミロ・ラロミロもリザーブから先発に移り、この試合が4キャップ目のPRマルコ・フェピュレアイが3番に入った。

そのほか、トンガ戦で2トライずつをマークしたWTBツナ・ツイタマとFLイザイハア・モーレ=アイオノらが引き続いて先発入りし、リザーブに代表デビューを待つメラニ・ナナイが入っている。

世界ランキングでは日本の14位に対して、サモアは13位と接近。通算対戦成績では、昨年9月のラグビーワールドカップでの勝利(28-22)を含めて日本の6勝12敗だ。

日本代表のジョーンズヘッドコーチは、サモアについて「モメンタムを得てラック回りから得点につなげるのが得意なチーム」と指摘する。

「これまでは自分たちよりもランキングで下のチームとの対戦だったが、今度は上位チームが相手だ。そこで自分たちが何をできるのかを示す機会になる」と述べて、「チームで同じ絵を抱いてプレーすることが大事になる。その点で、立川はみんなをまとめる能力があり、チームで考えを共有して同じように進んでいく能力がある」と期待を示す。

日本代表指揮官は、「30度超の暑さの中での試合になるが、準備はできている。我々には強いスコッドが揃っているし、立川の落ち着きのあるリーダーシップの下で、選手たちは多くのエネルギーと努力を持って準備してきた。試合が楽しみだ」と語った。

日本代表サモア戦試合登録メンバー:

1三浦昌悟 (トヨタヴェルブリッツ、12キャップ)

2原田 衛 (東芝ブレイブルーパス東京、5)

3竹内柊平 (浦安D-Rocks、8)

4エピネリ・ウルイヴァイティ(三菱重工相模原ダイナボアーズ、0)

5ワーナー・ディアンズ (東芝ブレイブルーパス東京、16)

6ファカタヴァ アマト (トヨタヴェルブリッツ、8)

7下川甲嗣 (東京サントリーサンゴリアス、8)

8ファウルア・マキシ (クボタスピアーズ船橋東京ベイ、10)

9藤原 忍 (クボタスピアーズ船橋東京ベイ、4)

10立川理道* (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、58)

11マロ・ツイタマ (静岡ブルーレヴズ、2)

12ニコラス・マクカラン (トヨタヴェルブリッツ、2)

13ディラン・ライリー (埼玉パナソニックワイルドナイツ、22)

14長田智希 (埼玉パナソニックワイルドナイツ、12)

15李 承信 (コベルコ神戸スティーラーズ、16)

16松岡賢太(コベルコ神戸スティーラーズ、0)

17岡部崇人(横浜キヤノンイーグルス、2)

18為房慶次朗 (クボタスピアーズ船橋東京ベイ、5)

19アイザイア・マプスマ (トヨタヴェルブリッツ、2)

20ティエナン・コストリー (コベルコ神戸スティーラーズ、4)

21小山大輝 (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、4)

22梶村祐介(横浜キヤノンイーグルス、2)

23高橋汰地 (トヨタヴェルブリッツ、1)

(注:* はチームキャプテン、所属のあとの数字はキャップ数)

サモア代表試合登録メンバー:

1アキ・セーイウリ (Dragons、6)

2サマ・マロロ  (Moana Pasifika、11)

3マルコ・ヴェププレアイ  (Colomiers Rugby、3)

4ベンジャミン・ニーニー  (Nippon Steel Kamaishi Seawaves、7)

5サミュエル・スレード  (Moana Pacifika、9)

6テオドール・マクファーランド  (Saracens、15)

7イザイハア・モーレ=アイオノ  (London Irish、2)

8イアコポ・マップ  (Moana Pasifika、5)

9メラニ・マタヴァオ  (Moana Pasifika、19)

10ロドニー・アイオナ  (Nola Gold, USA、8)

11エリザペタ・アフォフィポ  (Tama Uli Salelologa、― )

12アラパティ・レイウア  (Shizuoka Blue Revs、37)

13ラロミロ・ラロミロ  (Moana Pacifika、2)

14ツナ・ツイタマ  (Moana Pasifika、2)

15トマシ・アロシオ  (Anthem Rugby, USA、6)

16ルテール・トライ  (Biarritz、4)

17アンドリュー・ツアラ  (Houston SaberCats、5)

18ブルック・トゥーマラタイ  (Canterbury、2)

19マイケル・カリー  (Moana Pasifika、6)

20マーフィー・タラマイ  (Shizuoka Blue Sharks、2)

21ダニー・ツシタラ  (Old Glory DC, USA、5)

22アファ・モレリ  (Auckland University、4)

23メラニ・ナナイ  (Vancouver Highlanders、― )

(注:はキャプテン、所属の後の数字はキャップ数)

 

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