バンクーバーでのカナダ代表戦の勝利(55⁻28)から約2週間、日本代表は7日のプールB第2戦で、やはり初戦で勝利を挙げたアメリカ代表と対戦する。
エディー・ジョーンズ日本代表ヘッドコーチは、プール首位突破がかかる試合に、超速ラグビーの一端を披露して5トライを奪ったカナダ戦とほぼ同じメンバーを用意した。
先発の変更は15番。今年5月に2027年ラグビーワールドカップへ向けたチーム作りがスタートして以降、テストマッチ4戦すべてに先発してきたFB矢崎由高が所属の早稲田大学での活動参加で離脱。代わって、熊谷がホームの山沢拓也(埼玉パナソニックワイルドナイツ)が入る。リザーブも変更は一人のみで、5月の代表合宿スタート時にはコンディション調整中だったNO8ファカタヴァ アマト(リコーブラックラムズ東京)が入り、今季初となる出場機会を待つ。
9番10番は、カナダ戦でテンポのよいボール裁きを見せたSH藤原忍とSO李承信が引き続き務める。ただ、熊谷は蒸し暑い気候で知られ、バンクーバーとは気候が大きく異なるだけに、汗によるハンドリングエラーをどれだけ抑えられるか、影響を考慮した試合運びも求められそうだ。
ジョーンズ指揮官は、「アメリカはとてもタフなチーム。前回ワールドカップには出られなかったが、これまでの勝率は悪くない。キックも多用してブレイクダウンも激しい」と指摘。カナダとは異なるタイプの相手に対してチームの異なる側面を見たいとして、「フィジカルを出したプレー」「ディフェンスでのハードワーク」「厳しい局面での対応」を挙げた。
ジョーンズヘッドコーチは、チーム作りの柱としている速さを活かした超速ラグビーを追求する一方で、「常にプランBは必要」として「1つのプレーに頼るのではなく、2つ目、3つ目のプランを用意して、状況に応じて的確なプレーができるようにしたい」と述べて、チームのステップアップを期待した。
一方、アメリカは8月31日にホームでカナダと対戦して28-15で勝利。その試合のメンバーを中心に、先発の3人変更してLOビリアミ・ヘルー、NO8ジェイムスン・ファナーナ・ショルツ、SHルーベン・ダハースを起用。カナダ戦で2トライを挙げたWTBコーナー・ムーニハム、1トライのFBミッチ・ウィルソンとHOケペリ・ピフェレッティ、SOルーク・カーティーらは引き続きスタートから出場する。
プールBではカナダが2連敗でプール3位が確定済みで、1勝ずつ挙げている日本とアメリカは、勝った方が1位で準決勝に進出する。
なお、プールAは9月6日に3戦目が終了。フィジーがトンガに50-19で勝利して2勝目でプール1位を確定。2位はサモアで8月30日にホームで行ったトンガに43-17で勝って1勝1敗とした。トンガは2連敗で3位となり、9月14日に東京の秩父宮ラグビー場で行われる5位決定戦でカナダと対戦することになった。
準決勝は14日、15日に秩父宮で開催。3位決定戦と決勝は21日に大阪の花園ラグビーで行われる。
日本代表PNCアメリカ戦試合メンバー:
1三浦昌悟 (トヨタヴェルブリッツ、11キャップ)
2坂手淳史** (埼玉パナソニックワイルドナイツ、45)
3為房慶次朗 (クボタスピアーズ船橋東京ベイ、4)
4サナイラ・ワクァ (花園近鉄ライナーズ、6)
5ワーナー・ディアンズ (東芝ブレイブルーパス東京、15)
6ティエナン・コストリー (コベルコ神戸スティーラーズ、3)
7下川甲嗣 (東京サントリーサンゴリアス、7)
8ファウルア・マキシ (クボタスピアーズ船橋東京ベイ、9)
9藤原 忍 (クボタスピアーズ船橋東京ベイ、3)
10李 承信 (コベルコ神戸スティーラーズ、15)
11マロ・ツイタマ (静岡ブルーレヴズ、1)
12ニコラス・マクカラン (トヨタヴェルブリッツ、1)
13ディラン・ライリー (埼玉パナソニックワイルドナイツ、21)
14ジョネ・ナイカブラ (東芝ブレイブルーパス東京、12)
15山沢拓也 (埼玉パナソニックワイルドナイツ、9)
16原田 衛 (東芝ブレイブルーパス東京、4)
17茂原隆由 (静岡ブルーレヴズ、4)
18竹内柊平 (浦安D-Rocks、7)
19ファカタヴァ アマト (トヨタヴェルブリッツ、7)
20アイザイア・マプスマ (トヨタヴェルブリッツ、1)
21小山大輝 (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、3)
22立川理道* (クボタスピアーズ船橋・東京ベイ、57)
23長田智希 (埼玉パナソニックワイルドナイツ、11)
(注:* はチームキャプテン、** はゲームキャプテン、所属のあとの数字はキャップ数)
アメリカ代表 日本戦試合メンバー:
1ジャック・イスカロ (Old Glory DC、8)
2ケペリ・ピフェレッティ (Saracens、12)
3アレックス・モーガン (RFCLA、4)
4ビリアミ・ヘルー (San Diego Legion、8)
5グレッグ・ピーターソン* (San Diego Legion、45)
6パディー・ライアン (San Diego Legion、8)
7コリー・ダニエル (Old Glory DC、4)
8ジェイムスン・ファナーナ・ショルツ (Old Glory DC、12)
9ルーベン・ダハース (Cheetahs、31)
10ルーク・カーティー (Chicago Hounds、19)
11ネイト・オウグスパーガー (Chicago Hounds、44)
12トマソ・ボニー (Old Glory DC、7)
13タビテ・ロペティ (Seattle Seawolves、13)
14コーナー・ムーニハム (Anthem RC、2)
15ミッチ・ウィルソン (New England Free Jacks、9)
16ショーン・マクナルティー (Miami Sharks、1)
17ジェイク・ターンブル (Anthem RC、8)
18ポール・モーレン (Utah Warriors、37)
19ジェイソン・ダム (RFCLA、3)
20トーマス・トゥーアバオ (Utah Warriors、7)
21テシモニー・トンガイヤー (NOLA Gold、6)
22ジェイピー・スミス (Seattle Seawolves、3)
23ドミニク・ビーサック (Sait Mary’s College、3)
(注:* はキャプテン、所属の後の数字はキャップ数)