アサヒスーパードライパシフィックネーションズカップ2024 : 注目の6選手

再構築されたクロスリージョナル大会の開幕前に、各チームの注目すべき選手を一人ずつ選びました。

待望のアサヒスーパードライ パシフィックネーションズカップ2024は、今週金曜日にスバで行われるプールA、フィジー対サモアのライバル同士の一戦を迎えることで幕を開けます。

新しい時代の幕開けとなる6チームによって行われるクロスリージョナルな本大会は、5週間にわたり開催され、921日(土)の大阪でのグランドファイナルで優勝チームが決まります。

パシフィック・ネーションズカップ2024は各チームの競争力を高めるために設計されており、2027年にオーストラリアで開催される拡大版、男子ラグビーワールドカップへの重要なステップとなるでしょう。

開幕戦を前に、6チームの選手名簿を精査し、今後5週間で注目すべき選手を一人ずつピックアップしました。

Andrew Quattrin (カナダ)

カナダのヘッドコーチKingsley Jonesは、ニューイングランド・フリージャックスのメンバーが、メジャーリーグラグビーでのパフォーマンスをパシフィック・ネーションズカップでも発揮することを望んでいます。

カナダの35人のトレーニングスコッドのうち5人が、今月初めにスナップドラゴンスタジアムでMLRの栄冠を勝ち取ったフリージャックスの一員であり、今後数週間でさらなる栄冠の獲得を渇望しています。

その中でも、フッカーのAndrew Quattrinは、決勝戦でシアトル・シーウルブズ20-11で下した際に、12回のタックルと10回のボールキャリーを記録するなど、絶好調の状態で大会に臨みます。

前週のイースタンカンファレンスファイナルでシカゴ・ハウンズを23-17で破った試合では、Quattrin3トライのうちの1つ決め、そのシーズン全体での活躍が評価され、2024年のAll-MLRセカンドチームに選出されました。

またQuattrinは、5年前にテストデビューを果たし、2019年のラグビーワールドカップでは3試合に出場した経験を持ち、カナダのフロントロー陣にその豊富な経験値をもたらします。

しかし、彼のポジションを奪う可能性があるのは、ダラス・ジャッカルズでのシーズンで11トライを記録したキャップ数0のフッカーDewald Kotzeです。

Iosefo Masi (フィジー)

パリ2024でフィジーをオリンピック7人制ラグビー銀メダルに導いた直後、Iosefo Masi15人制ラグビーでもその実力を見せる準備が出来ています。

Masiは、7人制ラグビーから2年間の休息期間を経たのちに、先月スタッド・ド・フランスでフィジー代表として6試合全てに出場して3トライを記録し、チームメイトであるSelesitino Ravutaumadaと共に圧倒的な連携を見せました。

東京2020で金メダルを獲得し、またフィジアン・ドゥルアのスター選手である彼は、Antoine Dupontが率いるホスト国に惜しくも敗れ、オリンピックタイトルの3連覇こそ果たせませんでしたが、テストマッチに復帰し、フィジーを7度目のパシフィック・ネーションズカップタイトルへと導く意欲を持っています。

昨年7月にサモアとのデビュー戦でトライを決め、その後フランスで開催されたRWC 2023では交代メンバーとして2試合に出場しました。

Josua TuisovaWaisea Nayacalevuが不在の中、Masiはこの1ヶ月間で重要な役割を果たすことが期待されています。今年のスーパーラグビーパシフィックでは、彼が大会で最も多くのディフェンダーを突破した(80回)選手として際立っていました。

矢崎 由高 (日本)

大学生である矢崎 由高は、プロレベルのチームで1分もプレーしていないにもかかわらず、今年初めにエディー・ジョーンズ率いる日本代表に即座に選出されました。

矢崎は、4月にアピアで行われたワールドラグビーパシフィックチャレンジで、ジャパンXVがフィジーウォリアーズ相手に、45-43で接戦の末に勝利した試合で、2トライを挙げました。そのパフォーマンスがジョーンズHCの目に留まり、彼はPNCでその才能を発揮する機会を手に入れました。

20歳のフルバックである彼は、その後6月に東京で、ブレイブブロッサムズが52-17で敗北したイングランド戦に先発出場し、その後の夏の代表戦にも出場し続けました。

彼の国際試合での初得点は、マオリ・オールブラックスとの非公式試合で記録され、その後も矢崎は先月、ジョージアとイタリアとのテストマッチで再び15番のジャージを身につけました。

矢崎が代表チームに昇格する前、彼は南アフリカで開催されたワールドラグビーU20チャンピオンシップ2023でも活躍ぶりを見せ、日本が降格したにもかかわらず、未来のスター選手になると期待の声が多く挙がりました。

Tuna Tuitama (サモア)

近年のサモア7人制代表で輝きを放っていたTuna Tuitamaは、今後の数週間で国際舞台でもその得点力が発揮されることが期待されています。

Tuitama201912月にワールドシリーズデビューを果たしましたが、コロナウィルスの影響もあり、レギュラーに定着するまでには3年間ほどかかりました。

2023シーズンの第3大会では、サモアがアイルランド、アルゼンチン、南アフリカ、ニュージーランドを破りケープタウンでのタイトルを獲得した際、Tuitama5トライを記録しました。

6月初めにマドリードで開催されたHSBC SVNSでサモアの降格を防ぐことはできませんでしたが、Tuitamaはシリーズ14大会で30トライを記録し、彼はそのパフォーマンスにより15人制へのチャンスを手に入れました。

キャップ未獲得であるウィングの彼は、5度目のPNCタイトルを目指すサモアの一員であるだけでなく、2025年と2026年のスーパーラグビーパシフィックでMoana Pasifikaに所属する予定です。

Ben Tameifuna (トンガ)

おそらくトンガ代表の中で最も認知度の高い人物である、屈強なプロップのBen Tameifunaは、今後の1ヶ月間でトンガをPNCの栄光へと導くことが期待されています。

元ニュージーランドU20代表のTameifunaは、プロキャリアをチーフスでスタートさせ、スーパーラグビーのタイトルを2回獲得した後、2015年にフランスのラシン92へ移籍しました。

その後、彼は国代表をトンガに変更し、2017年にウェールズ戦でテストデビューを果たし、2度の男子ラグビーワールドカップに出場しました。これによって彼は、2011年と2015年のワールドカップで イカレ・タヒを代表した叔父のSona Taumaloloの功績を継いだことになりました。

151kgという巨大な体格を誇るTameifunaは、2020年にボルドー・ベグルに加入し、今シーズン、初めてクラブをトップ14のファイナルに導いたばかりです。

ボルドーはトゥールーズに大差で敗れ、Tameifuna2度目のトップ14優勝メダルを逃しましたが、彼の巧みなハンドリングスキルやゴールキック能力はかつてネット上でも話題になりました。また、彼はRWC 2023ではキャプテンに任命されました。

Cory Daniel (アメリカ)

オールド・グローリーのフランカーであるCory Danielは、前年の怪我で欠場していたにもかかわらず、2024年のメジャーリーグラグビーシーズンで驚異的な復帰を果たしました。

Danielは、リーグで最も多くのタックル(277回)を記録し、397回のラックに関与したことで、2024年のAll-MLRファーストチームに選出されました。

28歳の彼は、15試合で4トライを記録し、オールド・グローリーがイースタンカンファレンスの準決勝に進出するの立役者となりました。Danielの復帰は、Scott Lawrenceヘッドコーチの指揮する、過渡期にあるイーグルズにとっては大きなプラスです。

多くの経験豊富な選手が国際キャリアの終わりを迎える中、パシフィック・ネーションズカップはLawrenceにとってチームの未来を見据える機会となり、彼のスコッドには未出場の選手が5人含まれています。

そのため、Danielのバックローとしての才能を頼りにできることは、明らかにプラスです。フランカーとしての彼はテストレベルで無敗であり、彼のこれまでの3キャップは全て2年前に行われたRWC 2023最終予選大会でのものです。

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